ぶらりらいぶらり:長崎大学図書館ブログ

長崎大学附属図書館からお届けするブログです。 ぶらり、ぶらりと図書館へどうぞ。

フクロウ館長イチ推しの本

【連載第64回】フクロウ館長イチ推しの本

『実力も運のうち : 能力主義は正義か?』 マイケル・サンデル著 ; 鬼澤忍訳 早川書房, 2021.4 「トランプのせいで、相場が急落して、ウン百万損した」 と僕の友人Tは嘆く。 彼はトランプ関税について激しく非難し、スマホの株のチャートを恨めしく眺めて、…

【連載第63回】フクロウ館長イチ推しの本

『世界の一流は「休日」に何をしているのか : 年収が上がる週末の過ごし方』越川慎司著(クロスメディア・パブリッシング, 2024) 9月の連休は、どう過ごされたでしょうか? 「休みなんかなかったよ、バイト三昧、いつもと同じ感じ、やれやれ」とぼやいてい…

【連載第62回】フクロウ館長イチ推しの本

『選択の科学 : コロンビア大学ビジネススクール特別講義』シーナ・アイエンガー著 ; 櫻井祐子訳(文春文庫, 2014年) 人生は、選択の連続です。 多くの選択肢の中から自ら選び、あるいは他動的な選択の結果、今の自分がここに存在しています。つまり、僕自…

【第61回】崎長ライトのフクロウ館長奮闘記⑩ ~最終回~

【前回までのあらすじ】 コロナ禍に大学図書館長となった「僕」。「フクロウ館長」と呼ばれ、ベテラン司書の杏ちゃん、新人のシオリちゃんらと様々な取り組みをして、3年が経った。徐々に来館者数は戻り、平常運転に戻りつつあったのだが……。(フィクション…

【連載第60回】崎長ライトのフクロウ館長奮闘記⑨

【前回までのあらすじ】 コロナ、本離れで大学生が来なくなった大学図書館長に任命された「僕」は、フクロウ館長と呼ばれるようになり、司書の杏ちゃん、新人司書のシオリちゃんらと様々な取り組みを始めていた。そして……(フィクションです) 「もう1年が経…

【連載第59回】崎長ライトのフクロウ館長奮闘記⑧ ~理想の図書館を歌う~

【前回までのあらすじ】 学生が来なくなった大学図書館の復活を命じられた「僕」は、資金・マンパワー不足の中、司書の杏ちゃんらと共に「理想の図書館」を考えるワークショップを開催した。(フィクションです) 図書館の地下で開催されたワークショップは…

【連載第58回】崎長ライトのフクロウ館長奮闘記⑦ ~理想の図書館~

【前回までのあらすじ】 フクロウ館長の「僕」は、人が来なくなった大学図書館の改革案を、番人司書「赤毛の杏ちゃん」らと話し合うことになった。(フィクションです) 「僕は司書の皆さんから教えてもらいました。『図書館学の父』と呼ばれているランガナ…

【連載第57回】崎長ライトのフクロウ館長奮闘記⑥ ~ランガナタンの五原則~

【前回までのあらすじ】 大学の図書館長を命じられ、改革の任務を背負った「僕」だが、図書館の番人司書「赤毛の杏ちゃん」に「フクロウ館長」と呼ばれ、徐々に森の中に取り込まれてゆく…。(フィクションです) 図書の周りの紫陽花の花が開く頃になると、僕…

【連載第56回】崎長ライトのフクロウ館長奮闘記⑤ ~フクロウ館長誕生~

【前回までのあらすじ】内科医の「僕」は大学図書館長を命じられ、経費削減のためフロント業務の委託契約を見直そうと動くが、司書の「赤毛の杏ちゃん」と対立。そこで、図書館全職員を集め、説得しようとするが・・・(フィクションです)。 話し合いが行われ…

【連載第55回】崎長ライトのフクロウ館長奮闘記④ ~2004年の傷跡~

【前回までのあらすじ】 大学病院の内科医である「僕」は突然図書館長を命じられ、経費削減のためフロント業務の委託契約を見直そうと動く。そこで対峙するのは司書を束ねる「赤毛の杏ちゃん」と呼ばれる柴田杏。(フィクションです) 柴田杏は、甲高い声を…

【連載第54回】崎長ライトのフクロウ館長奮闘記③ ~赤毛の杏ちゃん登場~

【前回までのあらすじ】 大学病院の内科医である「僕」は、突然図書館長を命じられ、着任初日に掟破りの行動に出る。委託業者との契約を打ち切ると宣言し…。(フィクションです) 僕は、館長に任命された当初叫んでいました。 「『学生のための図書館』とい…

【連載第53回】崎長ライトのフクロウ館長奮闘記② ~初出勤~

(この物語はフィクションです) 【前回までのあらすじ】 大学病院の内科医である筆者は、突然学長室へ呼ばれ、図書館長を命じられて・・・。 図書館長の辞令をもらい、初めて図書館に行った日は、20XX年の4月1日、新型コロナの第4波の真っ只中。重症者は少なく…

【連載第52回】崎長ライトのフクロウ館長奮闘記① ~新たなミッション~

※書評連載「フクロウ館長イチ推しの本」の番外編シリーズ開始! これから5ヵ月にわたって隔週で掲載します。 (この物語はフィクションです) 僕は、大学の附属図書館長の仕事をしています。もうすぐ4年になります。内科医の僕がなぜ?と、思う方もいらっし…

【連載第51回】フクロウ館長イチ推しの本

『いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』 今井孝著 (すばる舎, 2024.6) グラスの中の、ソーダの泡がゆっくりと上がってくる。 丸い氷にまとわり、弾けると気持ちいい小さな破裂音が静かな店に響いた。バーのカウンターの向こうには、髪を後ろで結んだ髭…

【連載第50回】フクロウ館長イチ推しの本

『幸せはあなたの心が決める』 渡辺和子著(PHP研究所, 2015.9) 幸せになりたい。 もちろん自分だけでなく、自分の家族や友人や仕事仲間や、日本の人々が、海を越えた世界の人々が幸せになってほしい…と願う。年の初めに手を合わせて、今年こそは争いのない…

【連載第49回】フクロウ館長イチ推しの本

『地球の歩き方 スイス 2024~2025』 地球の歩き方編集室 (地球の歩き方, 2023.7) 僕は真夏のスイス・チューリッヒの古くて小さなホテルの一室で目覚めた。 エアコンがなくても寝れた…と、カタカタとなる扇風機の音を聞きながらそう思った。 「しかし、スイ…

【連載第48回】フクロウ館長イチ推しの本

『スイスの素朴なのに優雅な暮らし365日』 工藤香著 (自由国民社, 2024.3) スイス、チューリッヒ中央駅のカフェに、僕は入った。 13時間飛行機に乗った後、くたくたとなり、とりあえずコーヒーを飲みたかった。駅構内にあるカフェは、日本と変わらない。少…

【連載第47回】フクロウ館長イチ推しの本

『超ミニマル主義』四角大輔著(ダイヤモンド社, 2022.9) 「机の上をみれば、その人がわかる」と、良く言われる。 机の上を整理整頓している人は、頭の中も整理整頓されて、仕事が効率的に的確にできる。机の上に書類や本を山積みしている人は、頭の中もご…

【連載第46回】フクロウ館長イチ推しの本

『近畿地方のある場所について』背筋著(KADOKAWA, 2023.8) 斜面の上に人が住み、斜面の上に死者が眠っている。 長崎は、そんな街だ。至る所に墓地がある。都会のように大きな墓地公園はない。おそらく、入り組んだリアス式の地形のためだろうが、他にも理…

【連載第45回】フクロウ館長イチ推しの本

『最強の食事戦略 : 研究者と管理栄養士が考えた最終解答』 堀口逸子, 平川あずさ著(ウェッジ, 2024.5) 生まれ変わったら、ギャル曽根になりたい、と僕は思う。 理由は簡単で、好きなものを沢山食べても太らない人になりたい(笑)。今でもそう思う。華奢な…

【連載第44回】フクロウ館長イチ推しの本

『87歳、現役トレーダーシゲルさんの教え : 資産18憶円を築いた「投資術」』藤本茂著(ダイヤモンド社, 2023.11) 今年、新NISAが始まった。ある学生が「FX」を勉強していると言った。 「FXって株? 危ないんじゃ」と僕が言うと、 「株じゃないですよ」と笑…

【連載第43回】フクロウ館長イチ推しの本

『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』小杉拓也著 (ダイヤモンド社, 2022.12) 11×11= 13×15= 17×16= この3問なら15秒程度でとけるようになる本である。う~ん、ずるい! こんなの学校で教えてくれなかった。もし教えてくれていたら、何…

【連載第42回】フクロウ館長イチ推しの本

『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』安達裕哉著(日本実業出版社, 2023.11) 「私は、仕事ができる」と、ひそかに思っている人は、たぶん多い。 そういうささやかなプライドがないと仕事は続かない。小さな歯車であっても、「できる人」が…

【連載第41回】フクロウ館長イチ推しの本

『冬に子供が生まれる』佐藤正午著(小学館, 2024年) 僕は、UFO(未確認飛行物体)を見たことがある。 小学5年生の冬、夕方5時ごろ、運動場でサッカーの練習をしていた。 「あれ!」 と、友達が北の空を指さした。一斉に見上げる子供たち。円盤状の物体が…

【連載第40回】フクロウ館長イチ推しの本

『一日一生』酒井雄哉著(朝日新書, 2008年) ― 言葉が人を支えてくれる ― この度の能登半島地震により亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。 今日紹介する本と僕の出会いは、東日本大震災の時の…

【連載第39回】フクロウ館長イチ推しの本

『そして、ぼくは旅に出た。: はじまりの森ノースウッズ』 大竹英洋著(文春文庫, 2022年) 僕は、極寒のカナダでカヌーを漕いだ経験がある。20年程前の冬のことだが、僕はへき地医療を学ぶためにカナダのオンタリオ州ハリバートン村に1か月ほど滞在していた…

【連載第38回】フクロウ館長イチ推しの本

『理不尽に勝つ』平尾誠二著 (PHP研究所, 2012.5) ~闘い、乗り越え、強くなる~ 「お前たち、水飲むな!」 と、ラグビー部の先輩の怒号が高校のグランドに響く。 「罰として、あとグランド3周!走れ、走れ!」 僕達は、渋々走り出す。罰とは、先輩に挨拶…

【連載第37回】フクロウ館長イチ推しの本

『ミス・サンシャイン』吉田修一著 (文藝春秋, 2022.1) 8月9日を思い出す。 僕の祖父・濵田松之助は大正元年生まれで、第二次世界大戦の末期、昭和18年に召集された。当時31歳。妻と男の子3人、女の子2人の家族6人を佐世保に残し、長崎市へ向かった。 2年…

【連載第36回】フクロウ館長イチ推しの本

『第55回日本医学教育学会大会予稿集』 (日本医学教育学会 , 2023.7) ~ 2023年、『夏の来崎』物語 ~ 2023年の夏、フクロウ館長の後輩が、来崎した。 長崎に来ることを「来崎」と言うらしい。フクロウ館長の後輩は、いつも図書館の森に住んでいる女性医者…

【連載第35回】フクロウ館長イチ推しの本

『医学教育白書 2022年版』 日本医学教育学会学会広報・情報基盤委員会編集 (篠原出版新社, 2022.7) いつか君といった 映画がまたくる 授業抜け出して二人ででかけた 哀しい場面では 涙ぐんでいた (中略) 過ぎ去った昔が あざやかに よみがえる 君もみるだ…