『医者が教える食事術 最強の教科書』
牧田善二著(ダイヤモンド社, 2017.9)
毎年目標をたてる。ずばり「ダイエット」。僕にとっては四半世紀変わらぬ目標です。特にここ数年は、正月太りを夏の健診までに3~4㌔落とし、20歳の時の体重へ戻すことを目指しています。ダイエットのきっかけは、ある患者さんからの一言。「先生、痩せたら?」
30代半ばの内科医の僕に、その若い女性は進言してくれました。僕の額からたるんだ頬に一筋の汗が…。
その頃の僕の食生活は茶色一色。昼は忙しくて食べる暇がなく、夕方にポテトチップスで空腹を紛らわし、仕事終わりの夜9時、同僚と病院前の居酒屋で、ビールとウインナー。ポテトサラダ、山芋ステーキを追加し、焼酎1杯とカラオケを2曲歌い病院の官舎で寝る。朝は4時半起床で、実験室で研究。7時にのり弁当を食べて病棟の回診。週に1回の当直では、いつ救急車が来るかわからないので、カップラーメンを3分で作り、2分ですする。
そんな無謀な生活おかげで、臨床能力は上がり研究成果も出ましたが、体重も20歳の時より15㌔アップ。靴紐が結べなくなり、コレステロール値も健診でひっかかるようになりました。そのくせ患者さんには平気で「食事を改善して痩せましょう」と言うので、先の忠言につながったのでしょう。
それから、たくさんのダイエットに挑戦し、ことごとく失敗しながら、10年ほど前についに15㌔減量の成功をつかんだきっかけはやっぱり本でした。2001年に出版された武智三繁さんの「あきらめたから、生きられた」。太平洋を37日間漂流した崎戸町の船長の話です。「人間って、なかなか死なないもんだなぁ」が流行語大賞ともなりましたから、覚えている方も多いでしょう。
読後の僕の感想は「人間はそんなに食べなくても生きていけるんだ!」。さらに小食に興味を持ち、木の実や貝や魚が主食だった縄文時代の食生活に関する本を数冊読みました。そして、今回紹介する牧田善二先生の講演を聞き、著書を読んで「これだ!」と思い実践してきました。
牧田先生は糖尿病の大家であり、多くの著書があります。中でも本書は非常に分かりやすく書いてあり、具体的な実践方法を示しています。健康にとって日々の食事が最も大事で、「太る↓老け込む↓病む」ということを意識し、縄文人に学ぶ理想的な食事を提案しています。また、データに基づく医学的に正しい食べ方を明示してあります。
例えば「糖質が太る唯一の原因でカロリーと肥満は関係ない」「ちょこちょこ食べる方が太らない」など、それまでの常識を覆すことを理論的に説明しています。オリーブオイル、ナッツ、チョコレートの効用や、僕にとっては一番うれしいお酒の利点も示してくれています。
医師や栄養士の指導に従い、食事制限をすることが原則ですが、まずはいろんな本を読んでみることも一つの手段かもしれませんね。もちろん、適度な運動も忘れずに!
と、人には言うもの、僕は今日も頑張った自分へのご褒美。シュークリーム食べて、明日から頑張るぞ(笑)、ホ~ホッホ~~。隔月で長崎新聞に書評を書いているのですが、今回は長大ブログとインスタにも出して~というファン(?)からの要望で、編集して掲載しましたよ~、ホーホーホー♪次回をお楽しみに♪ フクロウ館長より
▼所蔵情報
【黒にゃんこ司書のつぶやき】
こんにゃちは!黒猫司書です。30代半ばで夜飲みに出かけて4時半起床なんて生活、すごすぎて呆れ通り越して尊敬しますよ、館長。ズバリ言ってくれた患者さんに感謝ですね。私も中学生ぐらいの時の体重に戻りたいですけど、年ととも代謝も落ちていくばかり、でもコンビニの新スイーツは食べたいし(今ローソンの桜あんパンにはまってて・・・)。縄文人の生活はちょっとムリなので、何でもほどほどを心がけるしかないかなぁ。それじゃまたにゃ~♪