『原因と結果36の法則 : 心のおもむくままに』
ジェームズ・アレン著 ; 菅靖彦訳 (河出書房新社, 2012.12)
新緑の季節、気分も新たに何か新しいことに挑戦したいと、僕は毎年この頃に何かを始めます。
20代の頃は大分市に住んでいたので、別府の温泉巡り同好会、湯布院の乗馬教室に通いましたが、運転が苦手で続きませんでした。30代は子供とバーベキューやキャンプ。これも虫が嫌で数回で挫折。40代は健康に気を使いスポーツジム。これも月謝ばかり払い数か月で終了。50代は郷土を知ろうと長崎学講座へ。歴史は難しく二回で自然退会。他にもいろいろありますよ。ピアノ、お茶、お花、経営者養成講座、シナリオ教室、早朝野球…。
「また、お金が…」と家族から呆れられ、「トライすること自体が大切なんだ」と、涙目で反論します。それでも僕と同じように、多くの人が新しい季節に何かに挑戦しようとします。趣味の講座やセミナーの新聞広告が入り、書店には「自己啓発本」が並びます。タイトルはこんな感じです。
「自分の可能性を伸ばす~」「30代でやるべきこと~」「幸せになるための~」
「できる上司なるには~」「年齢より若く見られる~」
思わず手に取ります。読んでみるとなるほど、なるほどと共感し、何かにトライしようと思い、また習い事をはじめるという悪循環に陥る僕ですが、人は元来「自己啓発」が好きなのです。自分の能力を高め、精神的な向上を目指し、頑張ろうとする生き物だと思います。だから人類はここまで発展したのでしょう。
実は、「自己啓発」の考え方の原典とも呼ばれる本があります。聖書の次に世界中で売れている本があります。ジェームズ・アレンの『原因と結果の36の法則 (原題: As A Man Thinketh) 』。多くの自己啓発本がありますが、源流をたどるとこの本に行きつくといっても過言ではありません。とてもシンプルで読みやすい本です。いくつか抜粋します。
「人は心の中で考えている通りの人間である」
旧約聖書から引用した言葉だそうですが、人は四六時中何かを考え、結果、考えている通りの人間になる。例えば、僕が毎年何かにいろいろ手を出して様々な経験を文章にしたいと思っていたら、結果、このコラムを担当する機会を得た…、こじつけですが(笑)。
「どんなに偉大な業績といえども最初はただの夢にすぎない」
つまり、夢を抱かないと人生は始まらないということです。新しい季節に夢を抱き自分を信じて何かを始めることが重要なのです。
「人は自ら変容、刷新させる力を自分自身の内側に擁している」
勇気づけられる言葉ですね。コロナ禍で厳しい状況が続き、新しい季節に新しいことを始めるのも容易ではありません。でも、自分自身の中にはまだまだ力があると信じて、僕は今年も何かにトライしてみようと思っています! ホッホホ~。三日坊主でもいいじゃないか~。ホッホホ~。フクロウ館長より。
▼所蔵情報
【黒にゃんこ司書のつぶやき】
こんにゃちは!黒にゃんこ司書です。温泉めぐり、乗馬、キャンプ、ジム、お茶、お花などなど、先生、なかなかすごい量の挑戦と挫折です。「三日坊主だっていいじゃないか、人間だもの」って、相田みつをさんのようなこと言われても・・・ご家族の冷静な視線はごもっともかと。という私も、社会人になって弦楽器やりたいな~とギター・ウクレレ教室に通ったことがありますが、忙しさを理由に半年で挫折したことがあるので、人のこと言えませんが。それじゃまたにゃ~♪