ぶらりらいぶらり:長崎大学図書館ブログ

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【連載第42回】フクロウ館長イチ推しの本

『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』
安達裕哉著日本実業出版社, 2023.11)

 

「私は、仕事ができる」と、ひそかに思っている人は、たぶん多い。

そういうささやかなプライドがないと仕事は続かない。小さな歯車であっても、「できる人」がいないと世の中は回らない。しかし、その仕事が「評価」され、世間的な「出世」を得て、世の中に貢献できる「仕事ができる人」は、少ない。

 

例えば、僕は医療業界で働いているのだが、「患者さんに評判が良い」医療者が臨床家としては認められるが、組織内で「仕事ができる」とは評価されるとは限らない。また、「いい研究をしている」人は研究者としては認められるが、組織内で出世できるとは限らない。同様に、偏差値の高い大学の出身である人、強力なコネのある人、代々お金持ちの人……が、かならずしも「仕事ができる」とは限らない。そんなことは、誰でも知っていることであろう。

 

本書は、「仕事ができる人」は何をやっているかをわかりやすく具体例を示している。

いくつか、僕なりに要約して紹介する。

 

  • 簡単なこと(元気にあいさつする、丁寧にメールを打つ等)を根気強く何十年も継続する。
     ⇒これは、即断即決の実行力へつながってゆく。

 

  • コミュニケーション力(上下関係を意識、受け手となる、要求をつくり出す)を磨く。
     ⇒相手が話したい事を聞く話の分かりやすい人になってゆく。

 

  • 周りが自分を怖がらない、自分が人に期待し、自分が他人に助けを求めるのが上手。
     ⇒リスクを背負い、勇気を持って決断する。

 

幸いにも僕は、「仕事ができる」学長や病院長と仕事をしたことがある。共通していることは、いくつもある。例えば、

 

  • 朝(または夜)の時間を有効活用(運動、趣味、懇親会等)し、リフレッシュ上手。
  • メールの返事が秒殺 ≒ せっかち(笑)≒ 仕事のスピードが異様に早い ≒ 即断即決
  • 人たらし(笑)≒ 魅力がある ≒ この人のために働こうと思わせる ≒ コミュニケーション力がハンパじゃない ≒ 結構忍耐強く人の話を聞く(もちろん、最後は自分の意見を通すが)≒ 交渉上手
  • サプライズが好き ≒ 衆目を集めることを戦略的にする ≒ 世論を誘導し ≒ 予想外の冒険をする ≒ 大所から必要性を感じ、組織を破壊し再生させようとする

 

この本は、就職活動をする学生、新人と言われる人、管理職……、つまりキャリアアップしたい人には必読本だ。また、仕事がうまく回ってない人にこそ読んで欲しいとも思う。

 

そんなに突拍子もないことを書いているわけでなく、「仕事」についてぼんやり理解していることを明確にしてくれる。2~3時間もあれば目を通せる本だが、改めて今後の自分の仕事の仕方を考えさせられる本である。

 

ちなみに、僕が見えなところで必ずしていることは、会議中にこっそりチョコレートを舐めて水筒のコーヒーをすすることです。ホ~ホホホ! 次回をお楽しみに。

 

 

▼所蔵情報

opac.lb.nagasaki-u.ac.jp

 

これまでの書評はこちらから読むことができます。

booklog.jp

 

【黒にゃんこ司書のつぶやき】

こんにゃちは。黒にゃんこ司書です。この書評を読んで、館長のメールの返信が異様に早い理由がわかりました。棚上げ癖のある私は見習わなければ・・・と反省。本書は仕事に限らず、学業でも参考になるかもしれませんよ。4月のモチベーションが高い時期に読むと効力抜群! それじゃまたにゃ~♪