ぶらりらいぶらり:長崎大学図書館ブログ

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【連載第43回】フクロウ館長イチ推しの本

『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』
小杉拓也著 (ダイヤモンド社, 2022.12)

11×11=  13×15=  17×16=

 

この3問なら15秒程度でとけるようになる本である。
う~ん、ずるい! こんなの学校で教えてくれなかった。
もし教えてくれていたら、何年も浪人しなくてよかったのに……と思わせてくれる本だ。

 

そもそも、僕は計算が苦手だ。

子供のころからよく計算間違えをしていたので、高校になっても文系を選んだ。それから浪人して理系に転じたのだが、地獄(笑)のような日々を送った。朝から晩まで、数学を解いた。因数分解からはじまり、微分積分を独学で学んだ。同じ問題集を何度も解いた。解いたというより暗記したという感じだ。青い表紙の「チャート式数学」からはじまり、「駿台数学」「大学への数学」。もちろん、そんなに簡単に合格するわけもなく、何度目かの受験で、奇跡的に問題集とほとんど同じ問題が出て、幸運にも合格したのだが、このトラウマは今でも残っている。夢の中でテスト中計算をしていて、間違うのである。

 

「あ~、間違った、やっちまった…」

 

という場面で起きる。

 

19×19を10秒で解ける方法は、開発した小杉卓也氏が「おみやげ算」と名付けている。東京大学卒業のプロの算数講師で、塾を経営している。頭がいい人の考えることは、違う。

 

僕も塾講師をやっていたが、こんな天才的なことなど思いつくはずもない。小学生向けに書かれている本だから、必ず理解できて、必ず解ける。解けた!と、すっきりするところが数学の醍醐味だが、それを間違えなく味わえる本である。1100円。久しぶりに計算問題を解いてすっきりしたい方には、お得な値段かもしれない。

 

入試を終えた大学生には、家庭教師の時に武器になる。社会人の皆さんは、飲み会のネタになる。そして、僕らの年代には、ボケ防止にな~る~~ホ~ホッホホ、次回をお楽しみに!

 

▼所蔵情報

opac.lb.nagasaki-u.ac.jp

 

これまでの書評はこちらから読むことができます。

booklog.jp

 

【黒にゃんこ司書のつぶやき】

こんにゃちは。黒にゃんこ司書です。「19×19が10秒で計算できる」という引きにつられて、思わず手に取ってしまいそうな本ですね。昔そろばんを習っていた友だちが、一瞬で桁数の多い計算をやっていて、頭の中どうなってんだ?と子どもながらに思っていました。この本を読んだら、自分もその領域に足を踏み入れることができるのかも?!とワクワクします。それじゃまたにゃ~♪