ぶらりらいぶらり:長崎大学図書館ブログ

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【連載第23回】フクロウ館長イチ推しの本

メタバース進化論 : 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』 

バーチャル美少女ねむ著 (技術評論社, 2022.4)

生まれ変わるなら、身長が180cmくらいで木村拓哉みたいなカッコいい男になって…、否、どうせ生まれ変わるなら、吉田沙保里みたいな力強い女性アスリートになってオリンピックに出るのもいいか…、否、面倒な人間に生まれ変わる必要もないか…、白頭鷲になってカナダの大平原を飛んでみるか…。

 

そんな空想などする必要はなくなったようだ。メタバース上では、生まれ変わり、なりたい自分になることは可能らしい。アバターを自由に選択できて、自由な姿になれるらしい。もちろん、肖像権のある有名人にはなれないのだが、性別も自由だし、格好も自由だ。メタバース上では、デザインができてなりたい自分になれる。つまり、メタバースは「アイデンティティーの革命」らしい…。

 

そもそも、メタバースって何?

と思い本書を読んだ。オンラインゲームとかSNSではなく、VRでもないらしい。ちゃんとした定義があり、学会まであるから驚きである。おおまかな定義は「リアルタイムに大規模多数の人が参加してコミュニケーションと経済活動ができるオンラインの3次元仮想空間」とある。なるほど、と言いたいが体験しないとちょっとわからない。

 

筆者の<バーチャル美少女ねむ>さんも、ひょんなことからこの世界に入り有名になったようだ。オジサンにもわかりやすいように解説しているから、ざっと読んでも概要がわかる本になっている。

 

ちょうどこの本を読んでいた時に、黒い大きなゴーグル(キャンプに使う米を炊くハンゴウに似ている)をつけて救急現場を体験するVRを体験したが、まあまあよくできている。メタバースVRではなくて、リアルタイムらしい。最近は学会もオンラインになって、休憩時間には仮想空間の休憩室で人と話せるようなシステムになっているらしく、試しに仮想空間の庭に行ってみたが、やはり話すことはできなかった。まあ~、時代が変わっていっているのはよくわかる。

 

メタバースの世界で土地が何億円もして、建物が立ち、買い物などいろんな経済活動がなされているのも事実らしい。10年以内に100兆円の経済活動が行われるという試算もある。メタバースは「経済革命」らしい。

 

メタバース上での学会なども実際やっているらしい。

おそらく、メタバース上での医療的なこと(心理カウンセリング?)などは、商売として成り立つようになるだろう。メタバースは「コミュニケーション革命」でもある。

 

おそらく医療人の教育にも有用となるであろう。メタバース上の図書館も出てくるのかもしれない。たぶんもう存在しているような気もする。

 

メタバースが何か? それを知りたくて紙の本書を読んだ。でも、その時点で僕はダメだ(笑)。だって、本当に知りたいなら、ゴーグルを買って体験した方が早い。ホッホホ~。

 

▼所蔵情報

opac.lb.nagasaki-u.ac.jp

 

【黒にゃんこ司書のつぶやき】

こんにゃちは!黒にゃんこ司書です。メタバース、と聞くと私は細田守監督の『サマーウォーズ』や『竜とそばかすの姫』に出てくるような、ネット上の仮想空間をイメージするのですが、合ってますよね? 何もかもオンラインでできる世界になりつつありますが、どこかへ出かけ、自分の目で見て、触れて、直に得る体験がこれからますます貴重になってくるのかもしれません。図書館に来ることでしか得られない体験もあります。ご来館お待ちしています! それじゃまたにゃ~♪