ぶらりらいぶらり:長崎大学図書館ブログ

長崎大学附属図書館からお届けするブログです。 ぶらり、ぶらりと図書館へどうぞ。

よみがえった『長崎出島之図』期間限定公開中!

ただいま経済学部分館では
「『長崎出島之図』修復完成披露 川原慶賀展」を開催中です。
  期間:2024年4月4日(木)~6月2日(日)(5月3~6日は休館)
  時間:平日9:00~21:00、土日祝12:00~17:30

経済学部分館が所蔵する貴重資料『長崎出島之図』は、出島出入り絵師、川原慶賀が描いたと
伝わるものです。昨年11月より47年ぶりとなる本格的な修復を行い、このほど修復が完成して
史料が持つ本来の華やかさを取り戻しました。
このよみがえった『長崎出島之図』を広くご覧いただくために期間限定で公開し、併せて、
川原慶賀画『草木花実写真図譜』など関連資料10点も展示しています。地元のテレビ・新聞などから
高い関心を持たれ、7社から取材を受けました。その報道のおかげもあって、連日たくさんの方に
ご来場いただいており、5日目(4/9)には早くも100人を超えたほどの盛況ぶりです。

見どころは、本紙の修復に合わせ、額装に用いられていた表具裂(ひょうぐぎれ)を史料と同時代の
幕末ごろの更紗に取替え、大変美しくなったところです。初代の表具裂には更紗が使われていたの
ですが、47年前の修復の際に、2代目は何やら黄色っぽい紙に替えられていました。
今回の再修復後に取り外したその紙を調べてみると、あろうことか、ただのかべ紙だったという驚きの
事実が判明しました。本当に修復して良かったです。

もうひとつの見どころは、立体的に俯瞰して描かれている建物に「乙名部屋」「役人蘭人部屋」など
それぞれの名称が書き込まれているところや、人々の生活の様子がいきいきと細かく表現されている
ところです。
出島表門橋の上にはたくさんの和服姿の町人、出島の中の通りには、刀を差したお役人。
天秤棒で荷物を運んでいる人や洗濯物を干している人、オランダ人に後ろから傘を差し掛けている
召使いもいます。建物の2階の部屋には蚊帳(かや)のようなもの?が吊ってあるのが見え、
その中にも小さく人が描き込まれています。よくよく見ると、牛、豚、山羊、鶏などたくさんの
家畜も飼われていて、今そこに人が住んでいる町を上から眺めているかのようです。

加美丹(カピタン)別荘のお隣は「砂糖蔵」 砂糖は貴重品だったんですね

貴重な原本を見ることのできるチャンスは今だけです。
ぜひこの機会に当館長崎学資料展示室へお越しください。

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