さあ、いよいよ新学期!
今日は、忙しくてなかなか本が読めない(笑)、永安学長にお勧めの本を聞いてみます。
また、本をたくさん読んで、附属図書館ベストリーダー賞に輝いた2名の学生、情報データ科学部の岡田さん、環境科学部の松尾さんにも来てもらいました。
崎長:学生の皆さんは、何冊くらい読んだの?
岡田さん:昨年は100冊以上読みました。
松尾さん:僕もそうですね。
学長:えっ、そんなに~。凄いね~。そんなに読んだら遊びに行く暇もないでしょう(笑)。
崎長:学長、学生の本分は勉学ですから。
学長:あっははは、そうだった、これはオフレコね。岡田さんは、本を読んでどんなことがよかったのかな?
岡田:本を読むと、やっぱり、やさしくなれるっていうか、想像できるようになるというか。知らないと「無」じゃないですか。ある程度表面をさらったり、知っていることによって、それについて考えるきっかけが自ずと生まれてくると思うんです。考えるきっかけというのが想像力だと思うので、それがやさしさとか、そういうものにつながるのかなと思っています。
学長:すごいね~。立派だよ。
崎長:そうですね、我々のように、何も考えないで遊んでいた学生とは違いますね(笑)。
一同:(笑)
崎長:松尾さんは?
松尾:僕は、本の著者の考えや思いが1冊に詰まっていると考えていて、その1冊を読むことで自分も追体験できることが、本の魅力だと思います。小さい頃は、本は苦手でした。高校の時に初めてこちらの本(『東大読書』を指す)を読んだこときっかけで、読書ってこんなに面白いんだ!って思いました。
学長:いや、感動ですね。しっかりした考え方を持っている。さすが、長大生だ。
崎長:そうですね。ところで、学長は?
学長:今の二人の立派な話を聞いて恥ずかしいけど、僕の学生時代の読書する動機は不純だったなあ~(笑)。僕はね、学生時代の彼女が「面白い本がある」と紹介してくれ本を読んだりしてたね。その一つが『白い夏の墓標』。
崎長:おお~。帚木蓬生ですね。九大精神科のお医者さんですね。
学長:そう、この人の本はほとんど読んでるよ。これはセンダイウイルスという東北で見つかったウイルス、ほんとにあるウイルスを発端にしたスイスが舞台の話しで。さっき松尾さんが言ったような、想像力を膨らませながら入り込んで読んだ小説。最後は研究者の倫理を問うような中身なんだけど、非常に夢を膨らませるような内容だったね。
学長:他には『海と毒薬』。長崎に馴染みのある遠藤周作の作品。僕は好きなんだよね、この作品。死生観だとか、色々あるけれど。これは太平洋戦争中、外科医が米兵の捕虜を臨床実験の被験者として使用してゆく、手を染めてゆくという物語。人っていうのは、悪いことも、自分の中で「正しいことだ」と言い聞かせてしまう面があるでしょ。例えば、今のウクライナとロシアの戦争のように、「自分たちが行なっていることは決して悪い事ではない」と互いに主張している。人というのは何だろう・・・と、そんなことを考えさせる作品ですね。医学生だけでなく、誰が読んでも面白いよ。
学生:(うなずく)
学長:長崎市郊外の外海町というところがあるんだ。とても夕日がきれいで、そこに、遠藤周作文学館があるんですよ。遠藤周作はこよなく外海を愛していたので、『沈黙』も外海の情景を考えながら書いたといわれてるんだよ。ぜひ行ってみてください。
学生:はい。
崎長:学生のみなさん、永安学長、ありがとうございました。3人のおすすめ本は、下記のとおりです。ぜひ手に取ってもられば幸いです。中央図書館にも特別コーナーを設けていますよ!
▼松尾さんの3冊(環境科学部)
東大読書 : 「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく / 西岡壱誠著
アルジャーノンに花束を / ダニエル・キイス著 ; 小尾芙佐訳
▼岡田さんの3冊(情報データ科学部)
ザ・メタバース : 世界を創り変えしもの / マシュー・ボール著 ; 井口耕二訳
進化しすぎた脳 : 中高生と語る「大脳生理学」の最前線 / 池谷裕二著
▼永安学長の3冊
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