ぶらりらいぶらり:長崎大学図書館ブログ

長崎大学附属図書館からお届けするブログです。 ぶらり、ぶらりと図書館へどうぞ。

自分自身と世界について考える

梅雨がやってきました。
雨の音を聞きながらの読書もなかなかいいですよね。

そんな中、経済学部分館では、新しい展示をふたつスタートさせました。
そのひとつが、1階階段横のブックトラックで展示中のこちら。

今月23日から29日までが「男女共同参画週間」なので、
自分らしさ」にスポットをあて、本を集めてみました。

男・女にかかわらず、自分らしさって何だろう?
ジェンダーロールに捉われない生き方を推奨されるものの、
なかなか性差の呪縛から離れられないのも事実です。

女の一生伊藤比呂美  岩波新書

詩人の伊藤比呂美が、子どもから年配までの「女の疑問」をとても丁寧に解説してくれます。
この本の合言葉は「あたしはあたし」。

『「あたしはあたし」がちゃんとできるようになったら、「あなたはあなた」もできるようになる』
そんなハッとするフレーズに、心が楽になる人も多いはず。

「自分らしさ」について考えた後は「世界」について思いを巡らせるのはいかがでしょう。
2階の特設コーナーでは「SDGsをめぐる世界を変えるための本」を集めています。

「誰一人取り残さない」というSDGsの理念を考えた時、
意見を自由に言えること、そして自由に行動できることが大切だと強く思います。

そんな思いにピンポイントで応えてくれるのがこちらの本。

「自由への手紙」オードリー・タン 講談社

オードリー・タンは、台湾政府の「デジタル担当政務委員」を務める人物。
持ち前の自由さで、市民の声にも柔軟に対応、
台湾が非常に画期的で進んだ世界を作り上げていることに驚かされます。

でも、タン氏の考えは至ってシンプル。
大きく複雑な格差問題についてどう考えればいいのか?
それに対してはこう答えています。
「まずは『問いかけ』から始めるのがいい(中略)
自分自身に立ち返ること、それが社会変革の第一歩となります(中略)
次にすべきは、『広げる行動』です。」

自分自身に立ち返って考えることが、国の在り方、政策をも変える。
自分と世界は繋がっているんだ、と
世界の理不尽さを「自分事」として捉えるきっかけになると嬉しいです。

Y58