ぶらりらいぶらり:長崎大学図書館ブログ

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【連載第3回】フクロウ館長イチ推しの本 

『1分で話せ』(伊藤羊一著 SBクリエイティブ 2018年)

 

「1分で、簡単な自己紹介と本院を志望した理由と述べてください」

就職面接官の僕は、1000回以上聞いたと思う。学生から「1分でわかりますか?」と聞かれるが、正直何もわからない。でも、その人の1分という時間の使い方がわかる。そして、時間の使い方こそが、その人そのものなのだ。

 

時間の使い方こそが、その人の人生そのものだと、僕は思う。

今まで使った時間は、20年の場合もあるし、50年の場合もあるだろう。しかし、その時間の長さにかかわらず、人生は1分1分の積み重ねなのだ。だから、どの1分を切り取っても、その人がわかると言えば、わかる。

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『エレベータートーク』というものがある。

米国、シリコンバレーで生まれたと言われている。短時間で思いを伝える方法だ。僕は、カナダに留学していた時に、この訓練を受けた。15秒で自己紹介し、30秒雑談し、残り15秒で仕留める。今でも、頭の中でシミュレーションしている。学長にキャンパスでばったり会ったら、病院長にエレベーターで会ったら、研修医にローソンの前であったら、何を話すかを準備している。もちろん、福山雅治にあった場合に話すことも決めている。

「福山さん、渕中学ですよね。僕は、隣の丸尾中なんですよ…(中略)。今度、長大病院に遊びに来てくださいよ」…、これを妄想というのだろうが(笑)、準備は怠らない。

 

ベストセラーとなった『1分で話せ』を読むことは、損はない。なにも就職試験だけのためだけじゃない、恋人に告白するためにも手助けになるだろう、単位をとるためにも役にたつだろう、医療者なら患者さんの話す時に役に立つ。僕は、何度も読んでメモにまとめている。  

 

君は、不用意に話してはダメだ。ノープランで挑んではダメだ。1分のプレゼンのために、君の全部の知識と経験を詰め込まなければならない。そのノウハウが『1分で話せ』にある。 

本書は、〝話せ〟と、命令形になっているところから、少々強引な理論でもあるが、これからを生きてゆくためには、役に立つ。もちろん、この本は、1分では読めない。じっくり何度も読んで、誰とも異なる君自身の1分間プレゼンをしてもらいたい。期待しています。

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1分で話せ : 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術 | 長崎大学附属図書館 OPAC

 

フクロウ館長(長崎大学附属図書館長 浜田久之)

 

f:id:nulib:20210826132338p:plain【黒にゃんこ司書のつぶやき】

「誰と会ったら何を話すか常に準備している」というエレベータートークのお話、とても参考になりますが、これめちゃくちゃ疲れませんか? 頭の血管切れるんじゃ・・・先生、少し休んでください、と言いたくなります。でも、普段ぼーっと生きている私はちょっと反省しました。なるほど、こういうコミュニケーションスキルを習慣化することで、先生のようなバイタリティ溢れるお仕事ぶりになるわけかと合点。福山雅治さんに会ったら妄想、なかなか楽しそうです。私だったら・・・司書資格の勉強をしているという長濱ねるさんに会ったら妄想をしておこうかな。