11/30(土)・12/1(日)に、第110回全国図書館大会が「図書館がつなぐ 人・まち・ミライ ~21 世紀の出島(長崎)から~」というテーマのもと、長崎市で開催されました。全国図書館大会とは、全国各地から図書館関係者が集まり、図書館についての研究・発表や、交流を行うイベントです。
第110回 全国図書館大会長崎大会
https://www.110th-library.com/
1日目は長崎県庁で開会式や表彰式、全体会として記念講演などが行われ、浜田附属図書館長が参加されました。交流会では、長崎ならではの変面ショーが披露され、盛況だったようです。
浜田附属図書館長(左)と池田長崎県立長崎図書館長(右)
交流会での変面ショー披露
2日目は主に分科会が行われました。中央図書館メディアルームでは、第2分科会の大学・短大・高専図書館が「学生のための大学図書館へ!~なんでも話そうチャンポン・ワークショップ~」というテーマで開催されました。発表者として参加した職員の視点から、当日の様子を報告します。
まず、浜田附属図書館長の挨拶です。「このあとスタジアムに応援に行くんですよ~」と着用しているV・ファーレン長崎のユニフォームの紹介から始まり、「たくさんの方と交流してください」と参加者どうしで握手をするように促すなどの声掛けがあり、会場が和やかな雰囲気に包まれました。
挨拶をする浜田附属図書館長
会場が温まったところで、早速、学生の事例発表が始まりました。1例目は、熊本学園大学学生による「学生コンシェルジュの日常」の発表です。お揃いの赤いネクタイとエプロンが素敵!アルバイトの中で経験を積んだ方がコンシェルジュになれるそうです。親しみやすい図書館を目指して、広報・展示・運営といったチームで様々な活動をされており、学生視点での工夫やアイデアが溢れていました。
発表者の米丸さん(左)と竹田さん(右)
発表の様子
2例目は長崎純心大学学生による「車いす学生からみた大学図書館の利用」の発表です。カウンターや書架の高さ、コピー機、通路の進行といった、自分にとっては普段の何気ない行動でも、車いすの方にとっては、ちょっとしたひと手間や利用しづらさがあることに気づき、驚きました。どの学生にも利用しやすい図書館にするためには、状況を想像して、色々な角度からサービス内容を考える必要があると感じました。
発表者の近藤さん
発表の様子
次に職員の事例発表が行われました。1例目は北九州市立大学図書館職員による「北九大の学生サービスについて」の発表です。企画展示やイベント内容など、様々な取り組みをされていて、参考にしたい点がたくさんありました。今後の課題として挙げられていた、図書館を普段から利用している学生はもちろん、あまり利用しない学生への働きかけなどは、改めて考えていかなければと感じました。
発表者の石原さん
発表の様子
2例目は、九州大学芸術工学図書館職員による「芸大生の学びを育むDesign Library」の発表です。芸術工学図書館改修について「学生の新たな学びの空間を創出する」というコンセプトを実現するための具体的な取り組みを知ることができました。「学生によいものに触れてほしい」と改修前から所蔵している名品の家具たちを活かしたり、学生のニーズを取り入れた設備があったり、とても興味深かったです。
発表者の宮嶋さん
発表の様子
3例目は、長崎大学附属図書館職員から「学生のための大学図書館を目指して」と題して、新型コロナの影響による図書館利用者激減を改善するための行動目標の作成過程や実際の取り組みについて報告させていただきました。
発表者の一瀬
発表の様子
事例発表の後は、参加者が「学生対応」など、興味のあるテーマごとに分かれてグループワークを行いました。様々な立場や年代の方が混ざって、活発な意見交換が行われており、盛り上がっていました。
グループワークの様子①
グループワークの様子②
それぞれのテーマについて、各グループでまとめた成功例や失敗例といった内容についての発表です。約1時間のグループワークで、たくさんの意見やアイデアが集まり、発表を聞いた参加者からは共感や驚きなどの反応が挙がっていました。参加者どうしで気づきや情報を共有できた有意義な時間となりました。発表で個人的に印象に残ったのは「職員の対応によって図書館の印象が変わる」ということです。カウンター等ではもちろん、館内を歩いている時に学生からお尋ねを受けるのですが、対応について日々反省しています。図書館職員として、必要な知識の習得や経験を積み、学生に寄り添った丁寧な対応を心掛けて、図書館に良い印象を持ってもらえるように努めたいです。
発表の様子
グループの意見をまとめたボード
分科会に参加して「学生のための大学図書館」というキーワードのもと、様々な立場の方からの意見を聞くことができて勉強になりました。遠くは北海道(!)からの参加者もいらっしゃるなど、全国各地の図書館に関わる方と交流できたことは、とても貴重な経験となりました。普段、目の前の業務をこなすことで精一杯ですが、改めて業務の先にいる学生を意識して「学生にとって利用しやすい図書館」を実現できるように、この会での経験を活かしていきたいです。
全体集合写真