詩人 谷川俊太郎さんが11月13日(水)に亡くなられたことが、19日に公表されました。(享年92歳)
谷川俊太郎さんは日本を代表する詩人として知られ、「二十億光年の孤独」など数々の詩集を発表されました。
普段「詩」というものにあまり興味のない人でも、谷川俊太郎さんの詩にはどこかで出会っている人が多いのではないでしょうか。国語の教科書に載っていた「生きる」「朝のリレー」などの詩や『♪この気持ちはなんだろう~』という歌いだしで始まる混声合唱曲「春に」(作詞:谷川俊太郎 作曲:木下牧子)など、小中学校、高校時代に読んだり聞いたりしたことでしょう。
また、絵本の作品も多く発表されました。「もこもこもこ(もとながさだまさ 絵)」「ことばあそびうた(瀬川康男 絵)」「これはのみのピコ(和田誠 絵)」などの作品は、テンポよく繰り返される言葉が子どもにも大人気で、広く親しまれています。海外絵本の翻訳ものも多く、「スイミー:ちいさなかしこいさかなのはなし(レオ・レオニ作)」も、きっとだれもが子どものころ一度は読んだことがあるでしょう。
経済学部分館でもいくつか谷川さんの作品を所蔵しています。
<新装版>谷川俊太郎の 問う言葉 答える言葉 (図書ID:3175278)
谷川さんの「ことば」は、決して難しくない日常の言葉でつづられ、それでいて心のとても深いところにスッと入ってきて素直に感じることができるものでした。この本はそんな谷川さんの「ことば」たちを、いろいろな詩やエッセイ、書籍などから抜粋したものです。ひとつひとつは断片的で短いものですが、読み進めていくと谷川さんの大きなあたたかい心に触れられるような気がします。
スヌーピーの会話術(図書ID: 3191442)
あの有名なビーグル犬スヌーピーを生み出した、チャールズ・M・シュルツ氏の描いた新聞連載コミック「PEANUTS」の翻訳を手掛けられたのも谷川俊太郎さんでした。子どもらしいのに、ときどきびっくりするほど哲学的な会話を繰り広げるスヌーピーやPEANUTSのキャラクターたち。彼らが日本でこれほど親しまれるようになったのも、谷川さんの絶妙な翻訳があったからではないかと思います。
この本は、心理学者の香山リカさんが彼らの会話からちょっとしたコミュニケーション術を学べるようにまとめられたものです。
懐かしのアニメ「鉄腕アトム(原作:手塚治虫)」の主題歌も谷川さんの詩でした。
『空を超えて、星のかなた』へ旅立たれた谷川俊太郎さんを静かにお見送りしたいと思います。
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