ぶらりらいぶらり:長崎大学図書館ブログ

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【連載第66回】フクロウ館長イチ推しの本

『心配事の9割は起こらない』

枡野俊明著(文庫版, 三笠書房, 2019.9)

 

明日の朝は、絶対休めない講義だ。

だから遅刻しないようにと、目覚ましを2つかけ、実家の母親に7時に電話をかけてもらうようにした。でももし目覚ましが壊れたらどうしよう、ふたついっぺんに。確率は低いが、起こりうる。もし母親が今晩体調を崩し、明日起きれなくなって、電話をかけられず……、そんなことは絶対ないわけではない。そういうことを考えると眠れない。

 

ダメだダメだ、もう寝ないと…。明日は講義でプレゼンを担当している。これの成否で、単位の取得がきまる。プレゼンの資料は忘れずに鞄に入れた。PCも入れた。練習もした。でももし電車の中に鞄を忘れたらどうしよう。ああ~心配だ、眠れない。

 

みたいなことって、誰でもありますよね。

僕もどちらかというと心配性ですから、準備に準備を重ねて、心配を打ち消して、最後は

「まあ、どうにかなる、大丈夫、大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせてなんとか眠る…という感じです(笑)。

 

でもよくよく考えると、目覚まし時計は壊れてないし、母親は元気だし、心配事は起こってないわけですよね。ただ単に妄想しているだけ。自分自身を妄想で追い詰めているだけ。心配して準備することは重要ですが、起こってもいないことを心配しても何の得にもなりませんよね。それよりも、明日のプレゼンで拍手喝采を受けて、先生からよくやった…と褒められる妄想をした方が良いですよね。

 

そうはいうものの、僕の悩み、あなたの悩みは尽きません。

お金について、就職について、友達関係について、恋愛について、部活について、親について、年齢について……、いくらでも悩みはあります。ご丁寧に、芸能人の不祥事とか恋愛騒動とかについても頼まれてないのに一緒に悩んだり、推しの活動方針についても聞かれてもないのに悩んでXでつぶやいてみたりとか…、どれだけ悩んだら気が済むんだ!と、自問自答する人もいるでしょうね。

 

でも、それを解決する方法はあるようです。

ぜひこの本を読んでください。ヒントは沢山あります。

この本を読んだ「僕」のある一日をご紹介します。

 

朝起きると、まず「今日は起きれた!」と感謝する。

学校へ着くと、友達に「おは~」じゃなくて「おはよう!」と、若干元気めに言ってみる。

つまらなそうな講義でも、「へ~そうなんだ!」と思って、ノートに書き留める。

 

お昼に学食で、「部活どうよ?」と友達に聞かれたら、「おかげさまで、なんとかやってる!」と笑顔で返す。誰もディスらないし、ネガティブなことは言わない。

 

講義中に、いろいろ理不尽なラインやメールがきても、「ふ~ん」と流す。

 

夕方部活で、友達が「どう思う?」と聞いてきても、沈黙を守る。うまく話せそうもない時は、黙って微笑む。

 

部活が終わり、暗くなった道をひとり歩きながらアパートまで帰る。途中、メールがピンとなった。件名「選考結果のご連絡」。ご希望に沿えず大変残念で~一層のご活躍をお祈り申しあげます。「お祈りメール」。橋の上で足を止めた。深く息を吸い、吐いた。川面に上弦の月が揺れていた。部活を続けながら就活するのは無理か…、でも、これは自分が選んだ道。今回は縁がなかった。まだ就活は始まったばかりだ。もう一度深呼吸をした。

 

心配事は、まだ起こってない。

今僕は、ここに立っている。今僕は、生きている。

目の前のことに集中しよう。それが僕のやれること。

 

僕は川面の上弦の月に「それじゃあ」と、挨拶をして歩きだした。

気づいたら、僕は何も心配してないことに気づいた。

ただ、歩くだけだ。一歩、一歩。

 

追伸:今年もあなたが良い本に出合えますように! ホッホホ~、次回をお楽しみに。

 

 

▼所蔵情報

心配事の9割は起こらない / 枡野俊明著

請求記号:188.84||Ma68, 図書ID:1635069

長崎大学附属図書館OPAC

 

これまでの書評はこちらから読むことができます。

▼崎長ライト(長崎大学図書館長)の "この本読んでみた!"

booklog.jp

 

【黒にゃんこ司書のつぶやき】

こんにゃちは、黒にゃんこ司書です。準備万端、あとは明日に備えて寝るのみのはずなのに、うまくいくかなと不安に感じて目が冴えてきてしまうこと、誰でも経験あるんじゃないでしょうか。そういう時私は、本を読むのではなく、ポッドキャストでお気に入りの番組を聞きながら眠るようにしています。暗闇の中目を閉じて番組を聞いていると、いつの間にか頭が睡眠モードになっているのでおすすめです。それじゃ、またにゃ~♪