当館が誇る貴重資料のひとつである「キュンストレーキ」は、本学の創基者であるポンペ・ファン・メールデルフォールトが、パリから取り寄せた日本最初の紙製人体解剖模型です。
フランスの解剖学者オズーの作で、国内には同種のモデルが4体(本学に1体、福井に2体、金沢に1体)現存しています。
当館のキュンストレーキのお世話をするようになってからというもの、いつか福井と金沢のキュンストレーキにもお目にかかりたいと思っていたのですが、なんと今回ご縁があり、対面の機会をいただくことができました。
80年前に被爆し、今や右半身だけの姿になった本学のキュンストレーキとは異なり、頭の天辺から足の先まで、ほぼ残存している福井と金沢のキュンストレーキたちを、この目にしっかりと焼き付けてきましたので、2回にわたってレポートしたいと思います。
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今回は、福井市立郷土歴史博物館に展示されている福井のキュンストレーキです。

福井市立郷土歴史博物館蔵 / 2025.11.11 筆者撮影
展示室入ってすぐの一番目立つ場所に、男女体が並んで展示されています。二体揃ったキュンストレーキを見た瞬間、感動して胸がいっぱいになりました。
左側が日本で唯一の女性体。メディチのヴィーナスと同じポーズで、女性らしい曲線美が特徴的です。
右側の男性体は、高さ約170cmとのことですが、実際の数字よりもはるかに大きく見えるほど、迫力がありました。修理に耐えないという理由で、昭和初期には修復を見送ったという記録がありますので、勝手ながらコンディションを心配していましたが、大きな亀裂や破損などは見受けられず、二体仲良く並ぶ姿にホッコリしました。

福井市立郷土歴史博物館蔵 / 2025.11.11 筆者撮影
男女体のどちらも、太ももや腰、首といった主要部位をスタンドホルダーで支えてあり、安定した美しい姿勢が維持されています。このスタンドホルダーは、修復の際に特注で製作されたもので、倒壊や折損のリスクを最小限に抑える効果が期待できそうです。今後当館のキュンストレーキの展示や保管の在り方を検討していくうえで、ぜひ参考にしたいと思いました。
ちなみに、福井市立郷土歴史博物館のロゴマークは、男女体のキュンストレーキがモチーフになっています。
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