医学分館に最近入った医学の専門書をご紹介します。
『日本のムラージュ:近代医学と模型技術:皮膚病・キノコ・寄生虫 / 石原あえか著』
https://opac.lb.nagasaki-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB25471438
ちょっと表紙がインパクト強めなので椅子の方が大きく写るように撮りました。
(気になる方は現物を見てみてください)
「ムラージュ」とは、特に二十世紀前半に皮膚科や泌尿器科を中心とした医学領域で、主に患部の病変・欠損・奇形などの症例を記録する資料および教材として重要な役割を果たした蝋製模型標本をさします。
ポイントは「生きている患者から直接」石膏で型を取って作った立体標本…だそうです。作る工程を考えるととても壮絶な感じがしますね。
本書で紹介されているリアルな標本の数々には、怖さも感じつつ目が釘付けになってしまいます。
皮膚病の標本だけではなく、キノコや寄生虫、お相撲さんの手形(!)のムラージュまで。
博物館や教室の奥で忘れられていたムラージュに光をあて、その歴史を丹念に調査した研究の集大成となっています。
そしてなんと、医学分館の貴重資料室では本物の「ムラージュ」が見学できるんですよ。
ちょっとリアル過ぎて苦手な方もいらっしゃると思いますので遠目写真でご紹介しますね。
写真奥がムラージュです。
ちょっと近づいてみました。近くで見るとその精巧さに驚きます。
貴重資料室の見学希望の方はお気軽にカウンターへお声がけください。
MJ