ぶらりらいぶらり:長崎大学図書館ブログ

長崎大学附属図書館からお届けするブログです。 ぶらり、ぶらりと図書館へどうぞ。

坂本キャンパスの春

坂本キャンパスも、桜が満開です。

特に正門辺りは綺麗で、その近くでお花見をする学生さんの賑やかな声も

ウキウキした気持ちを盛り上げてくれます。

ナイス写真スポット!

医学分館のお隣のポンペ会館

桜以外の植物も元気いっぱいです。

ユーモラスな姿

医学分館の横には、昨年丸刈りにされたソテツが生えているのですが…

よく見ると、ちょっとなんか「にょき」って生えてきてる!!!

タケノコ的な生え方

いやぁ春ですねぇ🌸

 

新年度が始まり、3月に短縮開館となっていた医学分館の開館時間も通常通りに戻りました。

図書館の開館時間はHPの「本日の開館時間」でチェックできます。

 

 

新入生の皆さんも、在学生の皆さんも

図書館をたくさん利用して充実した学生生活を送ってくださいね。

 

MJ

シリーズ:永安学長に聞いてみた!(第2回 お勧めの本は?)

さあ、いよいよ新学期! 
今日は、忙しくてなかなか本が読めない(笑)、永安学長にお勧めの本を聞いてみます。

また、本をたくさん読んで、附属図書館ベストリーダー賞に輝いた2名の学生、情報データ科学部の岡田さん、環境科学部の松尾さんにも来てもらいました。

 

崎長:学生の皆さんは、何冊くらい読んだの?

岡田さん:昨年は100冊以上読みました。

松尾さん:僕もそうですね。

学長:えっ、そんなに~。凄いね~。そんなに読んだら遊びに行く暇もないでしょう(笑)。

崎長:学長、学生の本分は勉学ですから。

学長:あっははは、そうだった、これはオフレコね。岡田さんは、本を読んでどんなことがよかったのかな?

岡田:本を読むと、やっぱり、やさしくなれるっていうか、想像できるようになるというか。知らないと「無」じゃないですか。ある程度表面をさらったり、知っていることによって、それについて考えるきっかけが自ずと生まれてくると思うんです。考えるきっかけというのが想像力だと思うので、それがやさしさとか、そういうものにつながるのかなと思っています。

学長:すごいね~。立派だよ。

崎長:そうですね、我々のように、何も考えないで遊んでいた学生とは違いますね(笑)。

一同:(笑)

崎長:松尾さんは?

松尾:僕は、本の著者の考えや思いが1冊に詰まっていると考えていて、その1冊を読むことで自分も追体験できることが、本の魅力だと思います。小さい頃は、本は苦手でした。高校の時に初めてこちらの本(『東大読書』を指す)を読んだこときっかけで、読書ってこんなに面白いんだ!って思いました。

学長:いや、感動ですね。しっかりした考え方を持っている。さすが、長大生だ。

崎長:そうですね。ところで、学長は?

学長:今の二人の立派な話を聞いて恥ずかしいけど、僕の学生時代の読書する動機は不純だったなあ~(笑)。僕はね、学生時代の彼女が「面白い本がある」と紹介してくれ本を読んだりしてたね。その一つが『白い夏の墓標』

崎長:おお~。帚木蓬生ですね。九大精神科のお医者さんですね。

学長:そう、この人の本はほとんど読んでるよ。これはセンダイウイルスという東北で見つかったウイルス、ほんとにあるウイルスを発端にしたスイスが舞台の話しで。さっき松尾さんが言ったような、想像力を膨らませながら入り込んで読んだ小説。最後は研究者の倫理を問うような中身なんだけど、非常に夢を膨らませるような内容だったね。

 

学長:他には『海と毒薬』。長崎に馴染みのある遠藤周作の作品。僕は好きなんだよね、この作品。死生観だとか、色々あるけれど。これは太平洋戦争中、外科医が米兵の捕虜を臨床実験の被験者として使用してゆく、手を染めてゆくという物語。人っていうのは、悪いことも、自分の中で「正しいことだ」と言い聞かせてしまう面があるでしょ。例えば、今のウクライナとロシアの戦争のように、「自分たちが行なっていることは決して悪い事ではない」と互いに主張している。人というのは何だろう・・・と、そんなことを考えさせる作品ですね。医学生だけでなく、誰が読んでも面白いよ。

学生:(うなずく)

学長長崎市郊外の外海町というところがあるんだ。とても夕日がきれいで、そこに、遠藤周作文学館があるんですよ。遠藤周作はこよなく外海を愛していたので、『沈黙』も外海の情景を考えながら書いたといわれてるんだよ。ぜひ行ってみてください。

学生:はい。

崎長:学生のみなさん、永安学長、ありがとうございました。3人のおすすめ本は、下記のとおりです。ぜひ手に取ってもられば幸いです。中央図書館にも特別コーナーを設けていますよ!

 

▼松尾さんの3冊(環境科学部

東大読書 : 「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく / 西岡壱誠著

ガネーシャと死神 (夢をかなえるゾウ 4) / 水野敬也著

アルジャーノンに花束を / ダニエル・キイス著 ; 小尾芙佐訳

 

▼岡田さんの3冊(情報データ科学部)

自省録 / マルクス・アウレーリウス著 ; 神谷美恵子訳

ザ・メタバース : 世界を創り変えしもの / マシュー・ボール著 ; 井口耕二訳

進化しすぎた脳 : 中高生と語る「大脳生理学」の最前線 / 池谷裕二著

 

▼永安学長の3冊

白い夏の墓標 / 帚木蓬生著

海と毒薬 / 遠藤周作著

恍惚の人 / 有吉佐和子著

 

【黒にゃんこ司書からアドバイス
読みたい本が貸出中の時は、OPAC画面の右端【予約・取寄ボタン】から予約できます。長大ID/パスワードでログインしてみてください。他キャンパスの図書も取り寄せできるので、ぜひ使ってみて!

祝☆卒業

3月25日(月)は卒業式でしたね。
あいにくの雨の中、経済学部をご卒業された皆さん、卒業おめでとうございます。

曇天ではありましたが、瓊林(けいりん)会館や拱(こまねき)橋など趣のある片淵キャンパス、袴やスーツなどの華やかな姿が絵になります。
仕事の合間にチラッと遠目に見かけただけで、こちらの気持ちも浮き立ちました。

卒業式後、経済学部分館に来てくれた学生もいます!

時間つぶしに情報サロンでくつろいでいた4年生の二人。
撮影をお願いしたら、快く引き受けてくれました。
ありがたいことに、経済分館もよく利用してくれたそうです。

今年学部を卒業した4年生は、入学時がちょうど2020年、コロナで世の中が完全ストップした時期。
代表者だけの入学式、授業は全てオンライン、大学に通うこともない…
二人に、その頃のことを聞いてみると、
「大学に通えなかった最初の時期は全然面白くなかった」と回想していました。

そんな不安な時期を乗り越え、今は友達もでき、キャンパスライフも謳歌できたようで
本当に良かったですね!
さらっと軽雑誌の宣伝までして撮影に応じてくれるサービス精神、就職先でもいい仕事ができること間違いなしです。

毎週授業でラーニング・コモンズを利用していた南森ゼミの4年生も来てくれました。
南森先生も一緒に記念撮影。

今年は男子学生多めな南森ゼミ。元気いいノリで場を明るくしてくれます。

しかし、せっかくのお着物姿が隠れてしまってもったいないので、女子学生と南森先生とで全身写真を撮らせてもらいました。卒業式での着物姿は特別感があって、見惚れてしまいます。

この日は、桜もまだまだでしたが、開花宣言が出た27日には、

図書館横にあるピンクの桜もこんな感じで咲き誇っていました。
ラーニング・コモンズからもよく見えます。

本館東側の桜はもう満開(笑)
毎年、この桜が片淵キャンパス中でいちばん早く咲いている気がします。

もう来週には新社会人としての生活が始まるなど、目まぐるしい日々が続くとは思いますが、卒業後も、卒業生用の利用者カードを作れば、長大図書館を利用することができます!
作成には卒業証書などの証明書が必要ですが、引き続き長崎にいらっしゃる方や、実は経済分館が好きだったという方、これからもどうぞご利用ください。

Y58 

【連載第41回】フクロウ館長イチ推しの本

『冬に子供が生まれる』佐藤正午著(小学館, 2024年)

僕は、UFO(未確認飛行物体)を見たことがある。

小学5年生の冬、夕方5時ごろ、運動場でサッカーの練習をしていた。

 

「あれ!」

 

と、友達が北の空を指さした。一斉に見上げる子供たち。円盤状の物体が5~6機、直線状に飛んで行った…という僕の記憶がある。そして、同窓会のたびに、この話になる。

 

「あれって、絶対UFOだったよね」

「うんうん、北から飛んできた」

「いや、南から丸いのが」

「いや、四角の物体だよ」

 

などと、それぞれに記憶は違っており、話すたびに記憶は捏造され、今となっては、本当にUFOを見たのか怪しいし、単なる同窓会のネタとなっている。

 

また、同窓会ではこんなことも起こる。

 

「山口君って、今フィリピンにいるらしいよ」

「うそ、東京じゃないの」

「いやいや、長崎で商売しているよ」…。

 

クラスに何人もいる苗字だと混乱して、どの山口君のことを話しているかわからなくなる。

 

さらに、欠席している場合は、いろんなことを言われる。

 

「浜田君って、水害で流されて…」

 

と、僕は浪人時代「死んだ」ことになっていた(苦笑)。インターネットもSNSもない時代だから、同窓会はある意味、噂や物語が生まれる場所だったのだ。

 

今回の佐藤正午佐世保市在住、直木賞作家)の作品も、そんな同窓生の記憶の曖昧さや噂話から生まれた物語。3人の似たような名前の同級生が、小学生の時にUFOを見た体験が核になって物語が展開される。時間が経つにつれ、同級生やその友達、先生の記憶が交錯し複雑化する。たびたび同窓会の場面もあり、読者は「あるある」とうなずきながら、日常から不思議な世界へ引き込まれてゆく。

 

直木賞受賞から7年ぶりの長編となる本書について、彼はあるインタビューでこう述べている。

 

「人は感情を解放して泣いたり笑ったりしないと生きていけない。だから、どうしても感情をコントロールできなくなるような出来事を書きたかった」

 

なるほど。大人は、子供の頃のように無邪気に泣いたり笑ったり、青春時代のように純粋に人を好きになったり嫌いになったりすることは難しくなる。むきだしの感情を取り戻したいがために、人は同窓会に行きたくなるのだろう。

 

さらに、佐藤は、こうも言う。

 

「誰にでも書けるストーリーを誰にでも書けるようには書きたくない。読むのに忍耐力が必要かもしれないけれど、こういう小説を書く今の佐藤正午のままでいいと思う」

 

同意!と、佐藤ファンの僕は深くうなずくが、新刊が出るまで7年は長すぎる。せめて、4年に1回くらいは…と、願っている。

 

先日、久しぶりに同窓会の案内状が届いた。出席すればUFOの話をし、欠席すれば今度も抹殺されるかもしれない(笑)。さて、さて、どうするか…ホッホホ~~次回をお楽しみに。

 

(※以上は2024年3月24日掲載の長崎新聞記事「この本読んでみた!」を再編集したものです)

 

PS:

佐藤正午は、筆一本で生きてきた。それだけ本が売れて稼いで食べてきたということなのだろう。ある芥川賞女性作家が、日本には純粋に書くことだけで食べていける純文学系作家は両手の指くらいだろう…といっていたが、それが本当なら、佐藤正午はその中に入っているのだろう。

 

彼は、テレビに出て新刊を宣伝したり、YouTubeSNSで情報を発信することはない。たまにインタビュー記事は見かけるが、ほとんどマスメディアに出ない。自分自身も、筆一本で生きてきた、と述べている。カッコいいし、凄いと思う。

 

土曜日のTBSテレビ「王様のブランチ」は毎週観ている。作家が出て、インタビューされたりして、新刊本を宣伝するのだが…、ちょっと寂しい気もする。本が売れない時代だから、それも必要なのだろう。出版元の要請もあるのだろうし、出たがりの作家も増えたのかもしれない。SNSを頻繁に更新する作家もいる。もちろん、それで本が売れたら、それはそれでいいと思う。

 

でも、僕はなんとなく、作家のことを知って本を読もうと思ったりしないし、本を読んで、その作家のことを知りたいとは思わない。書き終わった作品は、作家の手元から旅立ち、読み手のものとなる。読み手が手に取るのは偶然だし、読んでしまえば、それぞれのイメージを持つ。それが、本なのだ。と言っても、やっぱり売れないとね……(苦笑)…ホッホホ~次回をお楽しみに。

 

▼所蔵情報

opac.lb.nagasaki-u.ac.jp

 

これまでの書評はこちらからも読むことができます。

booklog.jp

 

【黒にゃんこ司書のつぶやき】

こんにゃちは。黒にゃんこ司書です。「本が売れない」、「若者の読書離れ」という言葉、私が若者の頃から聞くので、かれこれウン十年以上若者は本から遠ざかり続けていることになります。これだけの月日離れ続ければ、もう接点はないのでは・・・となりそうですが、そんなの人に拠るわけで、それを実感したのが先日のベストリーダーの2名の学生と永安学長との対談でした。本を読むことも、小説を書くことも、何事もモチベーションを保ち続ける人は強い! それじゃまたにゃ~♪

卒業おめでとうございます!

3月25日は卒業式でした。

医学分館のまわりでも、先輩を送る人たちでいっぱいでしたよ。

 

 

部活で使う道具を活用して先輩を見送ったり…素敵なアイディア!

 

 

医学分館すぐ横の池に飛び込む人たちも!伝統のようですね。

 

 

ラグビー部でしょうか?迫力ある「ハカ」も行われていましたよ。よく声の通ること!

 

 

卒業式の後に、図書館に寄ってくれた学生スタッフさん。素敵な笑顔をくれました!

 

 

医学分館の中にも、卒業されるみなさんをお祝いするための、ディスプレイを作りましたよ。

見つけてくださいね!

 

 

卒業されるみなさんの未来が、素敵なものになりますように♪

ご卒業、おめでとうございます!

 

 

So22

【第91回展示】新生活応援BOOKS

新入生のみなさん、ようこそ中央図書館へ!

在校生のみなさん、いつもありがとう!

の気持ちを込めて、新生活で役立つ図書を集めました。

   期  間: 3月25日(月)~

   場  所: 中央図書館2階 展示コーナー

   ブクログ: https://booklog.jp/users/nagasakilib?category_id=3583598&display=front

図書館は

思考を整える場所

希望に出会う場所

時に心の避難場所

何でもいいから日向ぼこ

 

あなたの心のヤジロベエが

陽に振れても、陰に振れても、

図書館は真ん中で、両手を広げて待っています。

図書館はあなたの未来を創る場所です!

 

JM

チームに属するみなさんへ

春休みも終盤に入りました。
みなさん、充実した春休みをお過ごしでしょうか。

僕は花粉症に悩まされつつも、選抜高校野球を見て春休みをエンジョイしています♪

さて、春休みが終わると学年が一つ上がり、新入生も入学してきます。
サークルや部活などで、取りまとめ役や幹部職を任される人も多いのではないでしょうか。

今回は経済学部の新着図書の中から、そのような皆さんに向けて
お役立ちの本をお届けしたいと思います!

まず1冊目はこちらの本!

鬼滅の刃から学べ!チームを幸せに導くリーダーのあり方」
矢﨑誠一・高橋謙一・盛澤陽一郎 著 159.4/Y67

今や知らない人はいないと言えるほど話題となった作品“鬼滅の刃
本作に登場するたくさんの魅力的なキャラクターたちが
部下育成の呼吸、チーム作りの呼吸、感情コントロールの呼吸などを伝授してくれます!
団体のリーダーになる人におすすめの1冊です。

2冊目はこちらの本!

「一流ファシリテーターの空気を変えるすごいひと言」
中島崇学 著 336.49/N34

話し合いの場において、自由に発言してもらいたいとき、
あなたが司会者ならメンバーにどのようなひと言を投げかけますか?

このようなとき、「今日は無礼講だ」と言うのは逆によくないらしいです。
「無礼講を信じて本音を言うと地雷を踏むかも…」と警戒する心理が働くそう・・・

最適なひと言を知りたい方は是非、本を手に取ってみてくださいね!
就活中の方にもおすすめですよ。

最後に3冊目はこちらの本!

「巻き込む力がヒットを作る “想い”で動かす仕事術」
村瀬健 著 699.67/Mu57

ドラマ「silent」をはじめ、「信長協奏曲」「いちばんすきな花」など
様々な作品を手掛けたフジテレビプロデューサー・村瀬健。
彼が大ヒット作を次々と生み出す背景には、彼の強い“想い”がありました。

彼の巻き込み力を体感し、是非今後の団体運営に役立ててみてくださいね!
女優の川口春奈さんとアーティストのACAねさん(ずっと真夜中でいいのに。)も
彼の巻き込み力を肌で感じたそうですよ!!

新年度が始まるまであと1週間程度です!
気持ちよく新学期がスタートできるよう、準備は抜かりなく行ってくださいね。