今日9月5日(金)から、映画『遠い山なみの光(主演広瀬すず、監督石川慶)』が公開されるのをご存知でしょうか。
この作品はノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロ氏のデビュー作『遠い山なみの光(A Pale View of Hills)』を映画化したものです。
イギリスで暮らす主人公の悦子の「今」と、故郷の長崎でのできごとを回想する場面が交互に出てくるのですが、映画では「今(1980年代)」の悦子を吉田羊さん、「回想(1950年代の長崎)」の悦子を広瀬すずさんが演じています。
小説『遠い山なみの光』は図書館3館で所蔵しています。
原著『A Pale View of Hills 』は1982の作品です。日本語版の『遠い山なみの光』(早川書房刊)は2001年に出版されていましたが、映画化にあわせて「新版(2025年)」が発刊されました。経済に所蔵しているのは「新版」のほうです。

図書ID:3193504 933.7||I73 経済分館(2階開架) (中央図書館にもあり)
また、医学分館と中央図書館では、2001年出版のものと原著を所蔵しています。

図書ID:2152198 933.7||I73 医学分館1F:ひとやすみ文庫 (中央図書館にもあり)

図書ID: 2152252 933.7||I73 医学分館1F:ひとやすみ文庫 (中央図書館にもあり)
作中では、長崎の原爆のことや戦争について多くは語られませんが、登場人物の悦子(1950年代)とその夫や義父、また、悦子の友人佐知子やその子、万里子との会話やエピソードの底に、深い喪失と悲しみが淡々と流れているのを感じます。
それでも、悦子や佐知子はそれぞれに幸せな(と信じる)未来を思い描き、必死で生きようとしています。
イギリスへ渡った後の悦子(1980年代)もまた、ある喪失感と後悔を抱えつつ、長崎にいたころの思い出をたどっています。
本のなかに出てくる「中川町」や「浜屋デパート」「稲佐」などの長崎の風景が映画でどのように描かれるのかも、ちょっと楽しみです。
あまり内容に触れると映画の楽しみがなくなるのでこれ以上の紹介は控えますが、映画を観て原作が気になった方は図書館で借りて読んでみてくださいね。
もちろん、読んでから観るとなお深く感じることができるのではないでしょうか。
そして語学に自信のある方は原著にもぜひチャレンジしてみてくださいね。
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