戦後80年目の夏を迎え、経済学部分館では新たな特別展示を始めました。
『GHQ焚書と原爆の記憶』
期間:令和7年7月1日(火)~8月31日(日)
平日 9:00~17:00、土日祝 12:00~18:00(8月9~17日は休館)
場所:附属図書館 経済学部分館 1階ホール
入場無料、どなたでもご覧いただけます

この展示には2つのテーマがあり、1つ目は「GHQ焚書」について、もうひとつは経済学部の前身、長崎経済専門学校の昭和20年入学生がまとめた手記『原子雲の青春』から被爆体験の記録を紹介するものです。この2つ目のテーマについては、別の回のブログでご紹介する予定です。
さて、今回ご紹介する「GHQ焚書」とは…?
ちょっと耳慣れない言葉ではないでしょうか。
焚書とは、特定の思想や宗教、学問などを弾圧する目的で、政府や支配者が書物を公衆の面前で焼却する行為を指します。
昭和21年3月から昭和23年4月にかけて、当時日本を占領していたGHQ(連合国軍総司令部)の指令によって、特定の図書を没収する「宣伝用刊行物の没収 (confiscation of propaganda publications)」政策が実行されました。
ドラマなどで教科書を墨で塗りつぶす場面が描かれることがありますが、それと同じように、戦前・戦中には「是」とされた書物が戦後に「宣伝用(プロバガンダ)」として否定され没収されるという政策があったのです。
「公開焼却」こそ行われていませんが、没収した本はパルプに再生する方針だったことにより、焚書に匹敵するような言論統制だったとして、のちに「GHQ焚書」とも呼ばれるようになりました。
今回展示しているのは、実際に「没収」が行われたことを記録した文書と、今も経済学部分館に残っている「没収を免れた図書」です。

昭和21年6月10日付の【追加第5号】の文書では11点の没収対象書名が挙げられていますが、このうち本学の図書では『日本的世界觀/ 齋藤晌著』が該当し、これを郵送したことが書かれています。
約2年の政策実施期間に7000点を超える図書が没収対象とされました。主に、その当時の著名な作家や評論家の本、戦争関係の本、戦時下の経済やアジア諸外国に関する本、日本の文化や精神に関連した本などでした。


書物に残されたその当時の人々の思想。どのような本が、なぜ、没収されなければならなかったのか。
奇しくも現在まで残った本たちから学ぶことのできる歴史があるのではないでしょうか。
ぜひご来館いただき、歴史の一端に触れてみてください。
Rig