ぶらりらいぶらり:長崎大学図書館ブログ

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【連載第45回】フクロウ館長イチ推しの本

『最強の食事戦略 : 研究者と管理栄養士が考えた最終解答』

堀口逸子, 平川あずさ著(ウェッジ, 2024.5)

生まれ変わったら、ギャル曽根になりたい、と僕は思う。

理由は簡単で、好きなものを沢山食べても太らない人になりたい(笑)。今でもそう思う。華奢な体で、大食いをする彼女が羨ましい。大食いの人たちがなぜ太らないか、いろいろ研究はされているらしい。食事習慣とか肥満遺伝子とか腸内細菌の問題とか、いろいろあるようだが、決定打はないようだ。

 

ぽっちゃり体型の僕は、いろんなダイエットを試した経験がある。

よく看護師さんから情報をもらい、バナナダイエット、リンゴダイエット、サプリ、1食抜き、炭水化物抜き…。そういえば、「国立病院ダイエット」という危険なダイエットも流行し、試してみてすぐに挫折した。何をやってもダメで、行きついたところはやっぱり本だった。

 

漂流した人の体験本や、過酷な地域で暮らす人の本や、食事に関する本を読み漁り、「なんだ、人間はそんなに食べなくても生きてゆけるんだ」という結論に達した。なんとか食欲をコントロールできるようになり、食べなくなると徐々に体重は減っていった。しかしながら、一定の体重で止まった。標準体重より5キロくらい多いのだが、それが高校の時の体重で、僕のベスト体重のようである。

 

「うあ~、3日で3キロ太った(泣)」

 

ということはよくある。油断するとすぐに太る。毎年正月に食べ過ぎて3~4キロ太り、その後朝夕2回体重を測定し、夏の健康診断へ向けて徐々に減らしてゆく。

 

「女子高生じゃあるまいし」と妻からは笑われるが、最後の1か月はボクサー並みにストイックになり、なんとか達成する感じである。そんなことを10年くらいやっている(笑)。いつまで、何のためこんなことをしているのだろう…と、思うことが多々ある。何かいい方法はないものだろうか、と思っていたところに本書に出会った。

 

<食事戦略><最終回答>というタイトルからして、お腹いっぱいになる感じであるのだが、意外と読みやすい。難しい理論もあるが、素人に優しく教える本である。

 

「太る原因は、<食材>ではなく食事の<量>」

⇒激しく同意!

 

「素人に栄養やカロリー計算は不可能」

⇒おっしゃるとおり!

 

「<朝食をたべましょう>のエビデンスは意外にも弱い」

⇒なるほど!

 

さらに、「痩せる食生活」実践法が示されているから嬉しい。一部を紹介する。

 

「目の前の1食ではなく、1日単位で考える」

⇒そうなんだ!

 

「新・3色食品群と食べる量で食事革命」

⇒ここが肝ですね!

 

「ランチョンマットからはみ出したら、食べる量が多すぎる」

⇒ランチョンマット使います!

 

「小さめの器を使う」

⇒すぐに器を変えます!

 

酒飲みにも嬉しいアドバイスがある。

「お酒を飲むから夜ご飯を食べない」では痩せない。穀類を食事中に食べる。量には気をつける。飲みながら食べるのではなく、食べてから飲む。これにより酒量が減らせる。

 

また、実践記録も写真付きであるので、理解しやすい。

著者のひとり・堀口逸子さんは、長崎大学歯学部を卒業した歯科医であり、食品の安全やリスクコミュニケーションについて多くの大学で教鞭をとられているプロフェショナルである。先輩の知識の沢山詰まった本をぜひ、手に取って欲しい。

 

ギャル曽根のような体質にはなれないが、最強の戦略を備えてがんばろうか…とも思う。しかし、無理せずやっぱり楽しく食事をしたい~、というわけで、夏はやっぱりビアガーデンですかね! ホ~ホッホホ~、次回をお楽しみに!

 

 

▼所蔵情報 

opac.lb.nagasaki-u.ac.jp

 

 

これまでの書評はこちらから読むことができます。

booklog.jp

 

【黒にゃんこ司書のつぶやき】

こんにゃちは、初耳の「国立病院ダイエット」を思わずググった黒にゃんこ司書です。「不味い病院食を食べて痩せよう」という内容を想像していたのですが、違いました。このダイエット、「1日3食決められたメニューを2週間続ける」と一見普通ぽいのですが、科学的根拠がなく、栄養に偏りが出るので健康的な方法とは言えなそうです。名前の由来も諸説あるようで、なんだかとても怪しい・・・。ちなみに私はこの夏、夜にもずくを必ず食べる「もずくダイエット」に挑戦中です。月末の健康診断にその効果が出るといいのですが。食物繊維が豊富なもずく、みなさんもいかがですか。それじゃまたにゃ~♪