ぶらりらいぶらり:長崎大学図書館ブログ

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【連載第11回】フクロウ館長イチ推しの本

言語化力 : 言葉にできれば人生は変わる』 

三浦崇宏著 (SBクリエイティブ, 2020.1)

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思いを言葉にできる人は、強い。僕の小学校の同級生は「日本一になる」と言って、サッカーで全国優勝をした。中学の同級生は「社長になる」と宣言し、会社を興した。高校の同級生は「世界一周をする」と言葉を残し、旅立った。僕といえば、優柔不断で、なかなか言葉にできない時期が長かった…。

 

はじめに言葉ありき。

人は言葉により動き、その動きにより次の言葉を生み出す。そうやって生きているのだ。だから、はじめの言葉が大切なんだと思う。

 

モヤモヤした思いを、はっきりと言語化する力がある人は強い。仕事では成功すると思う。僕の同級生や仕事仲間でも、自分がやりたいことをシンプルな言葉で表現できる力を持つ人は、世間的には成功し、はた目には幸せそうにしている。

 

言語化力』の作者は、三浦崇宏は、最近よくテレビのコメンテーターとして出ている。大手広告会社(博報堂)から独立し、会社を立ち上げたPRのプロ、新規事業開発から広告まで手掛けるクリエーターである。三浦の言葉は力強い。

 

「言葉にできれば人生は変わる」

「言葉こそが最強の問題解決の手段」

「言葉にできないことを言葉にすることが、ビジネス」

「人を動かす3つのポイント

  ①目的を明確にすること

  ②目的に向かうプロセスを明確にすること

  ③主語を複数にすること」

 

これから就職活動をする人、部下を持ち人を動かしたい人、広告宣伝の仕事をする人には、おすすめの本である。

 

「人生の目的を言葉にせよ」

「言葉は人生を突破するヒント」

 

三浦はそう著している。

しかしながら、人生は、そんなに簡単ではない。

自分自身を言語化して、社会的に成功し、地位やお金や名誉を得ても、幸せになれない人はたくさんいる。幸せそうな著名人が自ら命を絶ったりすることもある。逆に、一般的にネガティブと考えられる言葉で人生の目的を語り、自分だけでなく周りを不幸にしてしまうこともあるかもしれない。正直、言語化しない方が幸せなこともあるんじゃないか?

 

僕は、こどもの頃からぼんやりとある思いにとらわれていた。それは、なかなか今も説明できない。言語化できない。ありきたりの言葉でいうと、<自分は何のために生まれてきたのか?><人生の意味は何なのか?>という思いであるが、それを言語化することは難しい。結局のところ僕は、そのモヤモヤとした思いを言語化するために、小説とかエッセーを書いているのかもしれない。

 

いずれにしろ、この本を読む価値はあると思う。

あなたが、何をどう言語化しなければならいのかに、気づけばいいと思う。あえて言語化する必要がなければ、それはそれでもいいと思う。あなたの人生は、あなたのものだから…。

 

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ホーホーホー♪次回をお楽しみに♪

フクロウ館長より

 

▼所蔵情報

opac.lb.nagasaki-u.ac.jp

 

【黒にゃんこ司書のつぶやき】

こんにゃちは!テンパると左脳が自動停止する黒猫司書です。SNSの普及で自分の想いを言葉にしたり、他人の生(なま)の想いを受け取る機会も昔と比べて増えていると感じます。「伝えたいこと」に近い言葉を探して格闘とする、その過程こそが文章を書くことそのものである気がします。それじゃまたにゃ~♪