2月18日の西日本新聞1面に、「出島 世界遺産候補に」という記事が載っていました。
その記事によると、スウェーデン政府が「体系的な生物学の起源」をテーマに、江戸時代、出島に滞在した同国の植物学者カール・ツンベルク(別表記:ツュンベリー・ツェンベリー)や、「分類学の父」といわれたカール・リンネらのゆかりの地を構成遺産として、8カ国13ヵ所を世界遺産暫定リストとして申請した、ということでした。
出島の世界遺産申請が、日本ではなく、スウェーデンから行われたということが意外で、驚きました。
恥ずかしながら、ツンベルクという人物を知りませんでしたので、データベース「JapanKnowledge+」(図書館HP右側にリンクがあります)で調べてみました。
以下に、概略を記します。
ツンベルク(Carl Peter Thunberg)、 スウェーデンの博物学者・医師
1771年12月にオランダを出発したのち、南アフリカ、インドネシアを通り、1775年8月14日、長崎に到着。
長崎出島で外科医として1年余り滞在し、1776年12月3日に長崎を離れた。滞在中は植物の採集に努め、商館長の江戸参府に随行。
(※この江戸参府で通った箱根も、今回、世界遺産暫定リストとして申請されています。)
帰国後は、『日本植物誌』『日本動物誌』『喜望峰植物誌』などの博物誌、 『ヨーロッパ・アジア・アフリカ紀行』の旅行記を出版。
出島三学者の一人。(※他二人はケンペルとシーボルトです)
もっと詳しく知りたい方は、「JapanKnowledge+」などで調べてみてください。
長崎大学薬学部や医学分館では、HP上でツンベルクのことを紹介しています。
経済分館では、ツンベルクが書いた「Resa uti Europa, Africa, Asia:スウェーデン語版」や、「長崎出島之図」を所蔵しています。
まだ、暫定リスト入りですが、 本登録され、世界遺産になることを期待します。
ゴトウ