たびたび登場していますが、長崎大学の先生方の研究成果を電子的に
公開している、機関リポジトリ NAOSITEで、伊藤秀三先生のガラパゴス
フィールドノートを「電子出版」しましたのでご紹介します。
雑誌などに掲載された論文の「電子化」ではありません。「電子出版」です。
ほかのどこにも公開されていないデータの初公開になります。
公開したのは、ガラパゴス研究の第一人者である、環境科学部名誉教授
伊藤秀三先生の、ガラパゴス調査フィールドノートです。
1970年と1978年の植生調査において記録したフィールドノート(野帳記録)の中から、
論文として公表していない部分について、英語でまとめたものになります。
Itow, S. 2009. Field notes of Galapagos vegetation studies in 1970 and 1978.
NAOSITE . (URI: http://hdl.handle.net/10069/21987)
先生が作成されたワードやエクセルのファイルを、図書館でレイアウト等を
できるだけ整えてPDF化し、章ごとにまとめました。そのままPDF化すると、
余白やフォントによって妙に統一感がなく見えることがあり、途中、何度も
先生とメールでやり取りしながら確認しては調整が必要でした。
最終的に各ページの内容にあわせてヘッダを挿入し、通しページ数をフッタ
に挿入し、目次を作成して完成しました!
昨年10月に先生と打ち合わせをし、今年の1月にファイルを受け取ってから、
実に半年近くもかかってしまいましたが、ようやっと出版にこぎつけ公開する
ことができてほっとしています。
ガラパゴス諸島はその特異な環境の保全に努めていますが、当然ながら
植生は変化を続けています。当時の状況を知りうる、伊藤先生しか持って
いない貴重なデータを、NAOSITEにおいて公開できたことをとてもうれしく
思います。伊藤先生に改めてお礼を申し上げます。
フィールドノート内のデータは、伊藤先生がPreface(まえがき)で
書かれているように、出典を明記して自由にご利用ください。
リポジトリで電子出版したものが、他の研究者の方のお役に立てれば、
こんなにうれしいことはありません。
おまけ
フィールドノートは研究者の方向けですが、画像データベースには、先生の
専門の植物だけでなく、動物・景観などさまざまな写真を眺められます。
こちらもご利用ください!
ガラパゴス諸島画像データベース
http://gallery.lb.nagasaki-u.ac.jp/galapagos/
M*