ぶらりらいぶらり:長崎大学図書館ブログ

長崎大学附属図書館からお届けするブログです。 ぶらり、ぶらりと図書館へどうぞ。

夏休みこそeBook

お盆を過ぎて、ほんの少し朝晩が過ごしやすくなってきましたね。

うっすらと夏の終わりを感じますが、学生の皆さんはまだまだ夏休み。

楽しんでいらっしゃるでしょうか。

お休みでも、自宅からオンラインで読むことができる本がたくさんあることをご存知ですか?

eBookのページはこちら

http://www.lb.nagasaki-u.ac.jp/siryo-search/ebook/

 

医学分館では新たに学生スタッフが選んだeBookのポスターや、

すぐにeBookにアクセスできる「アクセスカード」を作成して紹介しています。

医学分館1Fラーニングコモンズ前

医学分館2F閲覧室入口

 

アクセスカードは自由にお持ちください。

医学系図書の他、シラバス図書のアクセスカードもご用意しています。

アクセスカードの一部

LibrariE紹介ポスターの一部

eBookを知ってはいても、実際に使ったことはないという方もいらっしゃるかもしれません。

夏休みこそeBookを使ってみる絶好のチャンスです。是非お試しください。

 

MJ

長崎八景っておもしろい


長崎八景という長崎版画があります。

これをテーマとした講演会が8月24日に経済学部分館で行われました。

講演いただいたのは教育学部の中島貴奈先生です。

 

冒頭ごあいさつ(左:中島貴奈先生 右:南森経済学部分館長)

拝聴したのは16名の方々。

講演中の様子(画面右上は愛宕暮雪:図書館員手書きが会場に華を添えてる?)

長崎八景とは,立山秋月・神崎帰帆・市瀬青嵐・愛宕暮雪・笠頭夜雨・稲佐夕照・安禅晩鐘・大浦落雁です。

それぞれの光景が思い浮かびますか?

 

“?”と思う方にはこちら↓↓↓↓を。

(ご来場記念として和紙に印刷したシート)

 

長崎版画にしては色彩鮮やかで江戸版画や浮世絵っぽいでしょ。

江戸で修行した長崎の磯野文斎というひとが長崎・今加治屋町にあった大和屋から出版したものです。

 

中島先生の講演は,➀長崎版画「長崎八景」とは ②日本各地にある「○○八景」 ③「長崎八景」はどのようにいつ誰によって選定されたのか ④長崎八景は真景なのか などの内容でした。

 

中でも真景なのかを古写真と対比したのは面白かったです。

長崎八景の絵柄は本当に正しいのかというもので,古写真を並べてみると概ね合致しているようです。別な作品からインスパイアしているような構図もあったり。

とても解りやすく,平易にお話しされて,ためになる充実の90分間でした。その後の質疑応答も活発に行われて約2時間はあっという間でした。

 

最後に宣伝を2つ。

この講演会は,経済学部分館のリニューアルオープン1周年記念イベントとして,長崎学資料展示室で開催中の「長崎の版画」展の関連企画として行いました。

版画展はまもなく8月31日で閉会しますのでまだご覧になられていない方はお急ぎを。

https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/event/event1402.html

 

また,先頃,正式に本学附属図書館の組織となった「地域文化研究会」(長崎大学教員で構成する長崎に関する研究活動グループ)の初イベントも兼ねていました。

地域文化研究会は活動の一環として,『今と昔の長崎に遊ぶ』という17篇の論題が載る書籍も出版しており,中島先生は長崎八景に関する1篇を書かれています。

絶賛発売中ですので是非読まれてください。

https://www.amazon.co.jp/dp/479850310X/


敬・天・愛・人




写真の秋を先取り!

もうすぐ9月が来ますね。花火大会もあと少し、楽しめそうでしょうか。

今回は、夏の終わりから始める、写真にまつわる本の紹介です!

本は全て電子ブック。学外からも読めます!

 

書名:誰でもドラマチックな花火写真が撮れるようになる(夜の絶景写真 花火編) / 泉谷玄作著

https://opac.lb.nagasaki-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/NB00780574

花火に特化した、写真の撮り方の本です。

夏の終わり、趣味のカメラを花火から始める…なんてのもオツですね。

 

書名:カメラ1年生 / 矢島直美著

https://opac.lb.nagasaki-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/NB00782660

ほんとうに初心者向けのこちら。スマホでもステキな写真って、撮れるんですよ!

持ち歩きも簡単ですし、気軽にトライしてみましょう。

 

書名:何気ない風景をダイナミックに変える絶景写真術 . アニメ映画のようなワンシーンを写し出す情景写真術 / GOTO AKI [ほか] 著 . 田中達也

https://opac.lb.nagasaki-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/NB00780544

風景の写真も素敵ですよね。上級者向けにはなってきますが、読みごたえバッチリの合本版。2冊分楽しめます。

 

書名:空撮写真集 : 昭和50年代の日本の風景(6 長崎) / 渡部まなぶ写真 ; 北小路健

https://opac.lb.nagasaki-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/NB00780531

最後はこちら。空から、昭和50年代の長崎の風景を撮った写真集です。今とどう違うか見比べてみるのも面白いですよ。

 

図書館ホームページの、電子ブックのページは、こちら。

http://www.lb.nagasaki-u.ac.jp/siryo-search/ebook/

 

秋に向けて、趣味を楽しみませんか?

どこからでも楽しめる電子ブックで、気軽に写真に触れてみてくださいね。

 

So22

ジェンダー/セクシュアリティについて考えるための本

ジェンダーセクシュアリティについて考えるための本

■期間: 2022年8月22日~11月末(予定)

■場所: 中央図書館1Fラーニングコモンズ

展示図書リスト(※展示している本はすべて借りることができます)

 

先月2022年のジェンダーギャップ指数が発表されました。日本の順位は調査対象となった世界146カ国中116位と下位で、昨年(120位/156ヵ国)とほぼ横ばい、主要7カ国ではぶっちぎりの最下位という、何とも情けない状況が続いています(お隣の韓国は99位、中国は102位)。

 

ジェンダーギャップ指数とは (Gender Gap Index:GGI)
国ごとの男女格差(ジェンダーギャップ)を測る指数。非営利公益財団・世界経済フォーラム(World Economic Forum)が2005年から実施し、『世界男女格差報告書(The Global Gender Gap Report)』において毎年発表している。GGIは各国の資源や機会が男女間でどのように配分されているかについて、(1)経済活動の参加と機会、(2)教育、(3)健康と寿命、(4)政治への関与の4分野で評価している。(日本大百科全書ニッポニカより一部抜粋 JapanKnowledge Lib)

 

選択的夫婦別姓同性婚、男性の育休取得率の低さ等の制度面や、家庭・職場でのジェンダーロールの押し付け合い、個としての意識等、私たちは様々な問題を抱えています。

 

こうした問題について、本を通して自分のアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)に気づくきっかけになればと考え、中央図書館ではジェンダーフェミニズムセクシュアリティについての理解を深めるための本を集めた展示をはじめました。

 

今回の展示は、本学ダイバーシティ推進センターの協力のもと、同センターが発行している長崎大学LGBT等性的マイノリティに関する対応ガイドライン掲示・配布しています。

www.cdi.nagasaki-u.ac.jp

また、同センターおすすめの本にはダイバーシティ推進センターイチ推し本」のPOPをつけています。どの本を読んだらいいか迷ったら、ぜひこのPOPを目印に選んでみてください。

 

ちなみに私のおすすめはこちら↓↓

opac.lb.nagasaki-u.ac.jp

今年刊行されたばかりの、ドラマ化・映画化が決定している話題の小説です。フェミニストになった「彼女」と主人公の「僕」の、どこまでもかみ合わない会話がリアルで、女性を取り巻く韓国の最新状況もわかります。ぜひ読んでみてください。

 

H

フクロウ館長の事件簿

中央図書館カウンター前で、いつも来館者を出迎えるフクロウ館長。

今年は梅雨の頃から麦わら帽子を被り、夏の装いだ。

ちょこっと斜めに被っているのが可愛らしい。

あまりの可愛さに、通りすがりに撫でていく利用者も…。

 

しかし、夏休みを直前に控えたある日。

 

 

 

事件は起こった―

 

 

 

 

 

スタッフNが開館作業中に何気なくフクロウ館長に目をやると…

麦わら帽子の紐がくちばし(鼻?)にひっかけられているではないか…!

 

 

一体、誰が…?

 

 

なんだか可哀想に思ったスタッフは、いつものように戻してあげた。

あのままでは、くちばしも痛かろう…。

 

そして、同じ日。

昼休みを終えたスタッフNが再びフクロウ館長に目をやると…

 

 

 

 

 

テレレレ…(よくオカルト番組等で流れるあのBGMが流れ出す)

 

 

 

「えっ、またなっとる…!!!」

 

開館から今まで、カウンターは無人になることはなく、必ずスタッフがいた。

なのに、誰も気付くことなく、館長はまたこんな姿に!!

 

カウンター内のスタッフの目を盗み、館長に手を下した人物が館内にいる。

 

 

これは大事件だ。

 

 

しかし、犯人はその日のうちにはわからなかった。

 

それ以降、犯行が行われることはなかったが、未だ犯人はわかっていない。

利用者なのか、スタッフなのか、、、

 

もしかして、フクロウ館長が自ら…?

 

謎は深まるばかりだ。

他にも、

 

 

こうなっている日もある。

誰かがフクロウ館長の帽子で遊んでいるのは間違いない。

 

我々はこれからも事件解明に向け、調査を進めていく。

 

 

 

 

 

※この物語はフィクションです。

実際には、調査などしておりません。

フクロウ館長のことを皆さんが可愛がってくれているのだなぁ、と微笑ましく思っておりますよ。

でも、誰も気付かないうちに帽子の紐がくちばしにかかっていた話は本当です。

帽子のツバが上向いてる時があるのも本当です(ホント誰がしてるんだろう)。

 

N.I.

 

夏こそチャレンジ!

夏休みが始まって10日ほど経ちましたが、いかがお過ごしでしょうか。
お盆休みや忙しかった前期の反動などで夏休みって怠けがちですよね。
約2ヶ月あるからと思うとついつい、ぼーっとただ時間が過ぎてしまう
だけの日が多くなりがちです。長い自由時間を活用して何かにチャレンジし、
夏休みの最終日に「やり切った!」と言える有意義な時間を過ごしませんか?

経済学部分館の2階特設コーナーでは「夏こそチャレンジ!」をテーマに、
語学や検定試験の参考書、時間のある夏休みに読んでほしい小説など
様々なジャンルの本を展示しています。
現代の偉人の生き様から何か学べることがあるかも?!
展示の中には、チャレンジの支えとなる健康な体づくりの本なんかもあります!

このブログでは、その中でも私がおすすめする2冊を紹介しようと思います。

1冊目は、『銀翼のイカロス』 池井戸 潤著


大ヒットTVドラマ半沢直樹シリーズの小説版です。
ドラマでは、鬼気迫る表情や迫力満点の名シーンが特徴的でしたが、
原作に触れることで、どんな困難な状況にも立ち向かう主人公の熱い想いを
さらに深く理解できるのではないでしょうか。

2冊目は、『直感力』 羽生 善治著


将棋棋士の一手は頭の中で様々なことを考えた一手と思われがちですが、
実は何も考えない直感で繰り出される一手も多かったりします。
将棋界の歴史を更新し続けている羽生善治さんの直感力の養い方・使い方を
学ぶことができます。

夏休み特に目標がない人、自分の目標のために悩んでいる人は
読書を試してみるといいかもしれません。
きっと、得られるものがあるはずです。 
H29

【連載第21回】フクロウ館長イチ推しの本

『本物の「上司力」 : 「役割」に徹すればマネジメントはうまくいく』 

前川孝雄著 (大和出版, 2020.10)

忘れられない上司がいる。ひとりは「男の中の男」と呼ばれた人で、熱血指導で、いつもプンプンしてまくしたてる人だった。もうひとりは「ホトケ(仏)の~」と呼ばれた人で、いつもニコニコして「まあまあ~」とぼやいていた。

 

若い僕を育ててくれた対照的な二人とも、後に大きな公立病院の院長になった。間違えなく器が大きかったのだろうが、若い僕はそんなことに気づいてなかった。今になって、二人の偉大さを認識するのだ。

 

研修医の2年目の時に出会った部長は、

 

「ハマダ、毎日、朝夕、患者さんのところに行って、診察しなさい!」

「ハマダ、ふざけるな!<患者さんを診る>とか、言うな。10年早い。<診させて頂く>と言え!」

「ハマダ、そのズボンは何だ!ちゃんとしたスラックスをはけ。」

「ハマダ、ラーメンは、汁から!」

「ハマダ、全員にお酌をして、挨拶をして回れ!」

「ハマダ、看護師さんとか呼ぶな、病棟の看護師の名前を全部覚えろ!」

 

といつも怒鳴っていた。だけど、僕は好きだった。怒鳴った後には、笑顔で僕の肩をポンと叩いて、「まあ、頑張れ、今が頑張り時だ」と優しく言ってくれた。この名物部長を慕う人は沢山いて、研修医からも若手医師からも人気があった。結局のところ、愛情があったからだと思う。今ならパワハラだの、セクハラだのと言われるかもしれないが、僕の医者としてというか、社会人としての基盤を作ってくれたのはこの人だ。

 

次に、5年目に出会った上司は、穏やかだった。

その頃、仕事はとてもハードで、朝6時に出勤して、7時から研修医との回診で、8時からカンファ(と言っても、上司と僕と、研修医2~3人)。雨漏りのする南2階病棟の40ベッドの中や、内視鏡室や救急室を日中走りまわり、夜8時とか9時頃になってようやく座れるという感じだった。そんな生活が長く続いた。いろんなことがあった。カルテの電子化、新病院の建設、新研修医制度の導入、総合診療病棟の構築…、次から次に難題が押し寄せてきた。僕はいつも荒波の真っ只中にいて、不満だった。それを上司にぶつけていた。そんな上司はニコニコした笑顔で、僕の愚痴を聞いてくれて、

 

「はまちゃん、まあ、人生、そんなこともあるだよ~」

「はまちゃん、人はいろいろいるから、そんなに求めても~」

「はまちゃん、正しいとか正しくないとか、難しいからね~」

「はまちゃん、まあ、ボツボツと言うことで~」

 

と、答えにならないようなことを言ってくれた。当時若い非力の僕には解決のしようのないことばかりで、言っても詮無いことであったのだが、この上司が丁寧に聞いてくれたのだろう。

 

忙しすぎることに対する不満というよりも、「自分はこれだけ頑張っているのに、なんで周りは頑張らないのか。なんで頑張っている自分の評価は低いのか」ということだったと思う。それに対して、「そんなことはないさ。しっかり私が見ている。私だけはちゃんと評価している」というメッセージをやんわりと出してくれていたのだろう。良い人に出会ったと思う。振り返ってみると、この上司から僕は<寛容になれ>ということを学んだと思う。なかなか今も身についてはないのだが…。

 

人は、誰しも、働き始めると上司を持つ。

良い上司に恵まれる場合もあるし、そうでない場合もある。いずれにしろ、新人や若手にとって、上司の影響は大きい。そして、人はいずれ上司になる。

 

本書からいくつか抜粋しよう。

 

「優秀な人が上司になると、批判を否定的に受け止める、威圧的である、拙速に結論を出す、マイクロマネージメントに走る」

 

「本物の上司は、働き甲斐のある職場をつくり、部下ひとりひとりが自律的に動き、個人では達成できない結果を導きだすチームを作る」

 

「リーダーの話し方において重要なのは、3つ。自分の思い(主体性)、他人への思いやり(愛他性)、わかりやすさ」

 

「ひとりひとりのミッションがわかる組織図をつくる」

 

「組織に帰属して、承認されることが大切」

 

本書は、令和の時代の中間管理職のマニュアル本であるが、いつの時代も変わらない上司像はあると思う。この本を読みながら、僕は二人の上司を思い出して、この文章を書いた。僕の上司たちは、上司という役割に徹していたと思う。ふたりは、手法は異なるが、上司として部下を守り、明確なビジョンを持って組織を発展させた。結果として、院長に抜擢されたことがそれを物語っている。

 

本書のサブタイトルは、「役割に徹すればマネジメントはうまくいく」。

結局のところ、自分自身が「上司」という役割を演じ切り、自分自身が変われるかにかかっていると思う。

 

じゃあ僕自身は今、「上司」の役割を果たしているのか? 自分自身が変わったのか? そう問いかけながら、今日も一生懸命「上司」を演じたいと思う。ホッホホ~、次回をお楽しみに。

 

 

▼所蔵情報

opac.lb.nagasaki-u.ac.jp

 

【黒にゃんこ司書のつぶやき】

こんにゃちは!「ハマダ、ラーメンは、汁から!」と理不尽に怒鳴られるフクロウ館長の姿を想像すると、つい笑えてくる黒にゃんこ司書です。一昔前に『上司は思いつきでものを言う』というタイトルの本がベストセラーになりましたが、立場が変われば人は「仕事」への向き合い方と、それにまつわる「人間関係」に悩むもの。私も社会に出たての頃は、社会人としてのマナー本の類を読んだものです。モノによっては、なんだコレという謎の慣習が書かれてあったりもしますが。それじゃまたにゃ~♪