ぶらりらいぶらり:長崎大学図書館ブログ

長崎大学附属図書館からお届けするブログです。 ぶらり、ぶらりと図書館へどうぞ。

橋本喜造さんって知ってますか?

卒業生ではありませんが,長崎大学にとてもゆかりがある方です。

片淵キャンパスの正門を入り,石畳の道の正面突き当たりに建つレンガ造りの建物が瓊林会館です。瓊林会館は今年で築後100年の節目の年を迎えました。登録有形文化財に指定されていますが,残念なことに経年による傷みが進行して立ち入りが制限されている現状です。

 

その建物を,大正8年に,経済学部の前身・長崎高等商業学校に寄付した方が橋本喜造(はしもと きぞう)さんです。彼は,明治5年大分県に生まれ,幼い頃に長崎で事業を営んでいた伯父の橋本雄三氏(橋本商会の創業者)の養子となり,長崎で暮らします。

20代で独立して佐世保で事業を興し,そこで財をなし,飛躍をもとめて神戸へ出て,また更にひと旗揚げることになります。海軍御用達商や海外相手に海運業,造船業,ビル建設と運営など多彩な商いを行いました。そうした事業を営む傍ら,佐世保市議,長崎県議,衆議院議員でもありました。

瓊林会館はちょうど衆議院議員の頃に高商に寄贈しました。また,医学部の前身である長崎医科大学にも高価なラジウムの購入費用を寄付したり,高商図書館にも多くの洋書を寄贈していました。ちなみに瓊林会館と同じく文化財に指定されている雲仙観光ホテルも喜造の建てたものですし,今も大阪で喜造の興した企業が営業を行っています。

 

そのような喜造氏の篤志家の顔にスポットを当てたミニ展示を開催中です。お近くに起こしの際は,経済学部分館に是非お立ち寄りください。

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喜造さんのことをもっと知りたいときはこちらも参考にされてください。

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